ネックレス

チェーン修理の内容に絡まり取りと言った修理依頼があります。細めのチェーンや捻りの加えてあるチェーン、ステーションネックレスと言われる一定間隔にチャームや石が取り付けられている様なデザインの商品などによくみられます。絡まりというと身近なもので紐や糸が結び目や玉になっている状態を想像すると思いますがまさに同じ様な状況で繊維の紐ではなく金属の紐が塊や複雑な結び目が出来ている状態です。ほどく方法は様々ですが基本的には絡まっている個所を先端が細くなっているピンセットなどでほどいていきます。しかし紐や糸と違いチェーンは輪っか状のコマが連なっている物なのでコマとコマがパズルのピースがはまる様にしっかりかみ合ってしまう事があります。そうなると知恵の輪はばらすのと同じ様な作業になってしまい集中力と忍耐力の勝負になります。完璧にかみ合ってうんともすんとも言わない状況になると1,2箇所コマの口を切ってバラしてほどく作業になります。チェーンをほどくのにわざわざコマを切るなんて信じられないと言ったクレームを受けた事もあります。ですが切ってほどく必要があるのです。特に先に挙げた様なチェーンは要注意で、しっかりとかみ合っている状態の場合、金属は柔軟性がないので少し力技でほどいていくことになります。つまり細いものや捻りが加わっているチェーンはコマが変形してしまうのです。またステーションネックレスのようなデザインはパールなどの宝石があしらわれていることが多いのでほどく際にコマでチャームや石を傷つけてしまう可能性が高いです。コマが変形したり宝石に傷が入ってしまうと元通りの綺麗な状態には仕上がりません。これはよろしくないと判断しコマを切ってほどくという作業が発生するのです。
絡まりをほどいて元の見た目に戻すのが修理の最大の目標です。絡まりほどけたけど傷だらけ、癖が残ったなんて状態は避けお客さまの喜ばれる仕上がりにするのが職人仕事だと思います。
多くの方々にはこのような作業になる事はご存じいただけているのでクレーム等の心配や過度の説明は必要ないのと感じています。
チェーンの絡まり取り作業の一情報として読んで頂けたら幸いです。

(2023.7.11[Tue])


動画

近年はインターネットの動画の投稿サイトや個人のサイトなどで、彫金・ジュエリーの作り方を紹介する人が増えたため、専門学校に通わなくてもある程度は学ぶことが出来ます。

そちらを参考にしたり、小さなジュエリーの製作教室で習う 趣味としての彫金・ジュエリー作りを始める方はそれなりに居るようですが、専門の学校に入り、ジュエリー製作を学ぶ人は減っているようです。

やはり無料で ある程度の知識が得られ、書籍などで紹介されてる製作方法だけではわかりにくい部分を紹介してくれる動画を見る事が出来るため、初歩のある程度の部分まではわかることが出来ます。そこまでで満足してしまい、専門学校に入るまでには至らない人が多いようです。

しかしそれを職業としている者がそういった動画などを見ると、あれこれ必要な情報が足りてなあと感じてしまう事が多くあります。

よくよく動画で紹介している人のプロフィールなどを確認してみると、製作をはじめてからそれほど経ってない人が解説動画を投稿していたりします。

時々、何十年と職業としてやってきた人が解説してくれる動画もあるのですが、私の見た印象ですと、
経験の長い人の動画はしっかりした解説をしてくれているのですが動画の編集の具合が荒めで動画としての内容がわかりにくく、
経験の浅い人の動画は情報が足りていないが、動画としてはよく編集されていて見やすい傾向があるかと感じました。

しっかりと職業としてやっている方ですと、やはり休みの時間を削ってわざわざ動画を撮るのはなかなか時間的に難しいので仕方ないことではありますが。

職業としてやっている身としては、そういった動画を見ることで、情報足らずだったとしても、初歩に帰って考える事が出来るし、分かりづらくともベテランのやり方を見れるそういった動画が世間にあふれているのは悪くないかと思いますが、
やはりちゃんと学ぶ場合は専門学校に行くのが良いかと思います。
実際に見て触れて直接 教えてもらえるのとは天と地程の差があるかと思います。

専門学校に行き、職人になる人が減るとどんどん業界として萎んで行ってしまうので、学ぶ人が増えれば良いなぁと考えます。

(2023.4.4[Tue])


サファイヤ

今回は9月の誕生石のサファイアの特徴とその伝承についてお話しようと思います。

サファイアは、「ルビー」と同じ「コランダム」という鉱物の一種になり、赤色は「ルビー」、それ以外のものは「サファイア」と呼ばれています。硬度は9でダイヤモンドに次ぐ硬さを持ちます。

サファイアとは、「青」を意味するラテン語の「サッピルス(sapphirus)」に由来し、
天空の色を連想させ、神に近い石とされてきました。日本名でも「蒼玉(青玉)せいぎょく」と呼ばれ、青色のイメージが強い石です。
古代旧約聖書の中で書かれているサファイアとは、ラピスラズリ(和名:瑠璃)を指しており、サファイアとは特定の石の名前ではなく、古代では青い石全体を意味していたと言う記述もあります。
その為、旧約聖書のモーゼの十戒が刻まれた石版はサファイアは、『ラピスラズリ』だったのではないかと言われています。
サファイアは、一般的に青色のイメージを強くもたれていますが、実際は青以外にも多くの色相をもつ石です。

古代ペルシャの人々は、自分たちの住む世界は巨大なサファイアの上にあり、空に反射し、青い空を映し出していると考え、「天と地に最も近い石」とされてきました。
またサファイアは、王族や君主を危害や妬みから守るという意味もあり、古代より指輪や冠として重宝されてきました。
イギリス王室でも、王冠やティアラなどの宝飾品に多く用いられ、故ダイアナ妃がチャールズ皇太子から贈られた婚約指輪が、サファイアであったことも有名です。

サファイアの宝石言葉には「誠実」「慈愛」「徳望」といった意味合いがあり、ほかにも平和を祈り、一途な想いを貫くというメッセージが込められているといいます。
古代から哲学者、聖人の石と言われ、神の恩恵や慈愛を受け精神の再生をもたらすと信じ、聖職者や賢者にこそふさわしい石と考えられていたサファイア。
枢機卿や司教がもつ指輪にはサファイアがはめられ、その指輪をした手で信者に触れることは、誠実や慈悲を与え、病を癒し、人々を悩みや苦しみから救うことを意味しているそうです。

ヨーロッパに古くから伝わるジンクスで、4つのサムシングを花嫁が身につけると幸せになれる「サムシングフォー」のひとつに「青いもの=サムシング・ブルー」があります。
青は誠実さを表す色として知られ、花嫁の純潔を象徴する純白の中に、密かに青色のものを身に着けるとよいとされ、そのアイテムのひとつとして、青いサファイアを指輪の内側に埋め込む場合も多いそうです。

今回は青い宝石としてのサファイアの役割をお話ししましたが、他にも、カラーバリエーションの豊富さや産地による特徴の違い、スター効果(アステリズム)など、ユニークでとても魅力の多い石です。次回は、また別の角度からサファイアの魅力についてお話しできたらと思います。

(2023.3.3[Fri])



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