2010年01月

製作方法

ジュエリー製品を作る方法としては、大きく分けて「キャスト」と「手作り」があります
『キャスト』とは鋳物を作る方法で、ジュエリーの場合はロストワックス製法と言い
ロウソクのような材料を削って作ります、柔らかいものなので特別な工具も必要なく
カッターとかサンドペーパーなどを使い、形を作ります。上手な人は生き物の表情までも繊細に作ります、そこがワックスの素晴しいところです。 そして
出来上がったものを石膏の中に埋め込んで、焼くと空洞になりそこのプラチナとか18Kなどの地金を流し込みます。
簡単に書くとこんな感じですが、そこにはキャスト職人の技があります。
『手作り』とは地金を溶かして固めて、伸ばして・平らにしてを繰り返しながら自分が作るための材料を寸法に合わせて作ることから始まります。
そして出来上がった材料を今度は、丸めたり・切ったりして小さいパーツを作っていきます、以前にも書きましたが「エンマ」などを使って、プラモデルのように使うパーツを全て作っておきます、これが出来れば作業も6割がた終ったような感じです。
出来上がったパーツを1個ずつ組み立てながらロー材を使ってロー付けしていきます
取り付けが傾いていないかと、バランスは取れているのか などを気をつけながら組み立てます、以前は仮につける方法として粉石綿を使いましたが、アスベストの問題で今は使いません、最近ではレーザー溶接機なども使って、作業の効率を上げています。
パーツを磨きながらロー付けしているうちにどんどんと考えている形に近づいてきます、
この辺が手作り職人の醍醐味です、
ワックスなのか手作りなのか、どっちが良いのかではなく、使う人・使う宝石で決めたいですね。

(2010.1.28[Thu])

マリッジリング

このたび、私の友人が結婚式を挙げることになりました。
結婚といえばマリッジリング(結婚指輪)とエンゲージリング(婚約指輪)ですね。
この二種類の指輪はサイズ直し、文字入れ、仕上げ直しと我が社の仕事の大半をしめる
大事な商品です。
マリッジは甲丸リング、エンゲージは1石のソリティアダイヤモンドリングが一番ポピュラーなデザインです。ですが最近ではどのブランドも他社との違いを見せようと様々なデザインリングが出まわっています。
カーブのかかったもの、ダイヤモンドを多く留めたもの、中には表面一周をダイヤモンドで埋めつくしたもの、などなどです。
作業するにあたって工夫も必要になってきます。サイズ直しでは、石付きリングの場合石に熱が伝わらないようにして、リングのデザインがおかしくならないように広げたり、縮めたりしています。
文字入れや仕上げ直しはペアリングなわけですから極力互いに同じような状態になるよう書体や文字の位置、仕上がり具合を気にしながら作業しています。
片方は筆記体でもう片方はゴシック体なんてこともありますが出来れば2つ共一緒の方がいいですよね。
私たちが手を加えた後も末永く使っていただけることを願いながら工房にて日々作業に勤しんでいます。

(2010.1.15[Fri])

ロー材

貴金属のロー付けには、ロー材が欠かせません
サイズ直しをはじめ、ネックレス・ピアス・ペンダントと何を直すにしても、ロー材は必要です
素材にあわせて、プラチナ・18K・18KWG・シルバーなど
更に作業箇所によって、色々な温度のロー材を使い分けます、
各素材に合わせて7〜8種類あります
特にゴールドの場合は色合わせも中々大変です、イエロー・ピンク・グリーンなど微妙に色が違います、白い紙の上で見ると良く分かります。
母材と同じ温度のロー材で作業の場合を「とも付け」と呼びますが、この作業は特に難しく
サイズ直し以外には殆んど使いません、ただし温度の低いロー材で作業をすると作業自体は簡単になるのですが、いわゆる「ロー目」が見えやすくなります。
ロー目を見えにくくするために、最近ではレーザー溶接も多くの職人が使いますが、これも万能ではなく補助的な機械となります。
やはり経験を積んだ職人が作業したものが、すばらしい出来になります。
職人にはセンスが必要です、技術はやる気があれば身に着くが、センスを鍛えるのは難しいところです。

(2010.1.5[Tue])


バックナンバー
©All Rights Reserved 2009 TAO & COMPANY Inc. Yokohama, Japan
Powered by HL-imgdiary Ver.3.00 Beta