2010年08月

ハードワックスについて

ハードワックスには、青、紫、緑の三種類の色がありそれぞれの色によって特徴がちがいます。

色  固さ      特徴
青  やわらかい   細かいデザインや細い線向き
紫  普通      青、緑の中間 最も扱いやすい
緑  固い      広い面などのあるデザインに適している

ハードワックスにもいろいろな形があり基本的にはブロックワックスという塊からどんな形でもできるのですが、リング用のチューブワックスやブレス用のワックス、ワイヤーワックスなどもあるのでこれらを用途によって使い分けることで作業工程を大幅に短縮することができます。また、デザインによって他の色どうしを組み合わせることによって(細い所には青、面の広い部分には緑など)、より完成度の高い物に仕上がります。

ワックスの最大の利点はコストの安さと加工のしやすさにあります。ワックスは簡単に削れるので専用の道具などを買いそろえる必要がなく、自分の気に入った物だけを鋳造(キャスト)して地金にすればいいので余計な費用がかかりません。
趣味で作っている人もいるぐらいなのでこの業界をめざしている人の第一歩にはいいかもしれませんね。

最近ではパソコンでプログラミングをして機械で形を作ることも多いですが、手作りには同じ物を作っても職人一人ひとりによってその人のこだわりや味などがあるので、温かみのある作品が生まれると思います。
機械だけが進化してもいいものは生まれません、機械と職人がともに成長していくことでこれからのジュエリー業界も発展していくのではないでしょうか。   

(2010.8.25[Wed])

お任せください。

プロに任せて下さい。
長年この仕事をしておりますと、色んな修理品がやってきます、箪笥にしまっておいたらシルバー製品が変色してしまった、肌身離さず身につけていたら傷だらけになってしまった。
リングやペンダントを落としたら傷だらけになってしまった・・・。
まぁこの辺りまででしたら通常のクリーニングやポリッシュの範疇ですので
洗浄したり磨いたりでバッチリ元通りになります。
結構困るのが、ロー付け部分が折れたり、切れたり、また石が外れた所をお客様が接着剤やハンダで直そうとされた場合です。たいていは失敗に終わって手に負えなくなって持ち込まれるのですが
これは正直な所「何もやらないで持ち込んで欲しかったなぁ」と言うのが本音です。
ハンダは手軽ですが強度的には実用には耐えられないものです、
貴金属・・・
特に金には非常にくっ付きやすい反面、元の状態に戻すのはハンダがついていた部分を
大きく削らなければならなかったりで良い事がありません。
接着剤もエポキシ系(2つの液を混ぜて使う)や瞬間接着剤を使われる場合が殆どですが、
ロー付け作業をするにはこれらが、ロー材が流れるのを邪魔するのできれいに取り去らなければなりません。
この作業も意外に時間がかかります。
また、ロー付けの際に火をあてると接着剤が残っていた場合「ボワァ〜」っと燃えるのですが、
これが臭い事(笑)さらにその燃えカスが貴金属にこびり付いてしまうとなかなか取れません。
出来れば壊れた時点で即刻お持ち込みが理想です。
病気や怪我等の時に民間治療は(たまに)上手く行く事もありますが、
大抵は事態を悪化させてしまう場合が殆どです。

(2010.8.17[Tue])

変色

今年も梅雨が終わり、暑い夏がやって来てます。
暑い日には汗をかきますよね。身につけているジュエリーはどんなご様子でしょうか?
シルバー素材のジュエリーは色が黒くなってきているのでは?
18Kなどのゴールドが赤くなってきているのでは?
シルバーが黒くなるのを友人などか「錆び」てしまった。などとよく相談されます。ご承知の方もいらっしゃるでしょうがこれは酸化による「錆び」ではなく硫化による変色です。シルバー925などは銅分も含まれているので細かく分類すると酸化による変色もあるのです。
硫化は硫黄が原因です。温泉に入ったら黒くなってしまった。なんて良くあることだと思います。人間の汗や硫黄分を含んだガス、ゴム製品や紙など生活環境によっていたる所に硫黄はふくまれています。環境によって、長い間身につけていないシルバーも変色してしまっているわけです。
それならゴールドが赤くなるわけは?というと、
24K(純金)は「王水」という混合液にしか反応しません。しかし18K,14Kなどのゴールドジェリーにはシルバーと銅が混ぜてあります。先にあげてあるようにシルバーの硫化、銅は酸化してしまうのでこの二種類の割り金が原因で赤くなってしまうのです。
人間の汗やアカ、油などの汚れが付着していると変色を加速させてしまいます。ですからどんな時期でもジュエリーを使用した際には専用の布などで拭くことをお勧めします。
愛着のあるジュエリーはいつまでも輝いていてほしいものですよね。
ある程度の変色は磨けば輝きを取り戻しますが、それでも変色が・・・という時には我々専門の人間に相談してみてはいかがでしょう。きっと新品同様の輝きをまたみることができますよ。

(2010.8.2[Mon])


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