2011年02月

表面加工について

宝飾品は、デザインや作り手によって様々な仕上げが施されています。
同じデザインの商品であっても、表面の仕上げひとつでまったく違った印象のアクセサリーになります。表面仕上げの方法も、叩いたり、擦ったりする物理的な方法から、化学的に表面を着色する方法など様々な方法があります。今回はいくつかご紹介します。
鏡面仕上げ
研磨することによって、曇りのないピカピカな表面に仕上げる方法です。
使っているうちに摩擦などにより小キズがついて白っぽく曇っていきますが、丁寧に磨
きなおせば元の輝きを取り戻します。最も多い仕上げ方法のひとつです。

ヘアライン、梨地仕上げ
梨地とは、金属の表面に圧縮空気で砂や金属球をあてて荒らす方法で、ヘアラインとは
一定の方向に細かい線のテクスチャーを入れる仕上げのことです。
光り輝く光沢もいいですが、鈍く光る仕上げもひそかに人気があります。

槌目、ハンマー仕上げ
表面を打っていくつもの丸いくぼみのできるように見えるテクスチャーです。

パターン模様 
花や葉の模様のタガネなどを使って決まったパターン模様を打つ方法です。
インディアンジュエリーの飾り模様などによく見られます。

いぶし仕上げ
銀にのみ見られる仕上げ方法です。銀は自然の状態でいても表面に硫化銀の皮膜が出来て黒くなってきます。いぶし仕上げとはこれと同じような仕組みを短時間で人工的につくることをいいます。
銀製品を専門で扱っているブランドなどでよく見られます。

(2011.2.23[Wed])

作業机



私達、職人専用の作業机があるのをご存知でしょうか?私達は、普通に作業机と呼んでしまいますが、一般的には「彫金机」とも呼ばれます。
みなさんは、「机なんて、どこにでもある物でもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、一般的な机では「天板<テーブル面>が低いんです」通常の机の天板までの高さは平均で70cm位なんですが、これだと商品をヤスリがけする時に力が入りにくかったり、長時間の作業をしていると背中が痛くなったりします。
一方、彫金机は天板の高さが90cmあります。椅子に座るとテーブル面が、だいたい鎖骨の辺りにくる感じです。
また、金属を削ったり、糸ノコで切ったりすると「削りかす」がでますが、この貴重な粉を集め易いように引き出しに、ステンレス製のお皿がついてます。
天板が木製なら「カスガイ」、金属なら「クランプ」をつけて、そこに「すり板」と呼ばれる板をはめて、その板に商品を押し当てるように固定してヤスリがけなどを行うので、力が加わったときに机が動かないように、かなりの重量があります。

(2011.2.17[Thu])

目方の話

普段一般の人たちが使っている重さの単位はグラムですが、
私達、宝飾に携わる者はカラット(ct)をよく使います。
このカラットと言う単位、昔地中海から中近東、インドで採れる黒色のイナゴ豆(通称カロブ)を
分銅として使っていたのが元のようです。一粒約0.2g 、イナゴ豆1個=1カラットと言う訳です。
昔のカラットの単位は各国まちまちでしたが、1906年にカラットをメートル法に組み入れる事になり
それ以降1カラット=0.2gとする 、メートルカラットが採用され今日に至っています。
この表示は、主に石の重さを表すのに用いられていまして、最も知られているのはダイアモンドの3Cの一つとしてでは
ないでしょうか。

ダイアモンドで1カラットと言うと見た目結構大きいですが、実際はたったの0.2グラムしか無いんですよ。
1グラムの5分の1ですからそれを計る秤も精度の高いものが要求されるので、秤・・・通称キャラ秤は少々高価で、また非常にデリケートな物でもあります。
何せ計っている時に鼻息でもかかろうものならたちまち表示がメチャクチャになってしまう程ですから、
品物をのせる部分にはカバーがかけられてるくらいです。
写真1
さて、1カラットのダイアモンドは数万円から数十万円とピンキリですが、それでもグラム単価としては
かなりのものですね。
牛肉の最高ブランド松坂でも100グラムで数千円ですから単位が話になりません。
フェラーリやポルシェなどの高級スポーツカーでも1.5トンで数千万ですから(笑)。
そう考えると私たちはとんでもないものを扱っているんですね。

(2011.2.7[Mon])


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