2012年08月

ネセセア

人の生活や文化は常に変化していますね。昔は考えられなかった事が、今では常識になって、昔は必要だったものが今では使い道のないものになってしまっていたり。それ自体は時間の流れですから、是非は言いません。今日はそんな「今では見なくなったもの」のご紹介。
 「ネセセア」とは裁縫道具とペンを収納したパーティ用の小物です。箱または筒状のものが多いですね。裁縫道具はダンス会場に於けるドレスのほつれを直す貴婦人のたしなみとして、ペンはダンスを申し込んできた男性の内、好ましい人物が居た場合に名前を書き留める為に入っています。
 necessaireはフランス語ですが、英語のnecessaryと同じ意味をもち、「必要な」、「不可欠な」等の意味があります。高級なものも多く、貴金属に宝石や七宝で細工されたネセセアは貴族階級の婦人には必須のおしゃれ小物というわけなのでしょうが、 このようなものを「不可欠な」と呼んだ当時のヨーロッパ貴族達の生活が想像されますね。
 仮に、今どこかの宝飾店でネセセアを売り出してもまず間違いなく売れないでしょうが、ヨーロッパにおいてもきっと同じでしょう。当たり前ですが時代に合ったものが残っていく、生まれてくる、合わないものは消えていきますからね。ネセセアのようなものにお金をかけられる、そんな時代はもう来ないでしょうね。

(2012.8.24[Fri])

故郷

皆さんはこの暑い夏をどうお過ごしでしょうか?早くも夏ばてに近い状態に陥ってしまった今日この頃です。
私事ですが先日法事で数年ぶりに滋賀県甲賀の田舎に行ってまいりました。現地生活をしている人には申し訳ないのですが、まあ田舎なので特に珍しいものがあった訳でもなくお寺へ行って墓参りして帰宅といった感じでした。父の実家が関西にあったこともあり、子供の頃は盆休みのたびに旅行とお墓参りに行っていました。 墓地にはまだ土葬のお墓がある様な場所でいつも行くたびにお墓が土にまみれていたのですがそんなことはなくとても綺麗になっていて。駅も昔は無人駅で田舎独特の味わいのある駅でしたが、それも綺麗さっぱり近代的な駅になっていました。(個人的には昔ながらの駅の方が好きなのですが住んでいる人たちには綺麗な方がいいですよね。)
何時までも昔のままと思っていたものが変わっているのを見て、時が過ぎるのはあっという間だなと感じ、町も自分もこれから先も生活の中で成長、変化していくのだなと改めて感じました。
今は当たり前でもいつか何年か先には無くなってしまうもの、新しく変わってしまうものは沢山あると思います。自分の思いと違う結果になることも多いと思います、ですが過去には固執せず変化と成長楽しんでこれからも生活して行ければいいなと思いました。

(2012.8.14[Tue])

ラインストーン

ラインストーンは普通「コスチュームジュエリー」に良く使われるダイヤモンドなどの代りになる人工石を指します。
素材は鉛を含んだクリスタルガラスで、透明で様々な色をつけることができて汎用性があります。
名前は、フランス・ライン川河岸の町、ストラスプールで作られた事に由来します。
宝石のようなカットを施したものの他、Tシャツなどに文字や模様を接着する「ホットフィット」などもあります。
ラインストーン自体は非常に安いものから、少し高いものまでいろいろありますが、
生産が容易なために多くのアクセサリーで使われてきました。
特にスワロフスキー社の製品を、スワロフスキーと呼ぶようにブランド名がつくものもあります。
低価格で豪華に演出させる場合には、必ずと言って良いほど使われます。ブライダル時に使われるティアラや豪華なネックレスなどブライダルジュエリーとしては欠かせないものとなっています。
ラインストーンの石は、実はよく落ちます。
古いものは石のカットが手作りのものも多く、サイズが微妙に違うので一度落としてしまうと2度と同じ石を見つけることが出来ないほどです。
特に1930年頃までのアクセサリーに使われていたものは、現代のもので合う色がないので、新しいものをはめてしまうとそこだけが目立ってしまうことになります。
さらに古いものだと、その素材からクリーナーなどが使えないものもあります。
汚れを落とすつもりで使ったはずなのに石の色が変色することもあるので注意が必要です。

(2012.8.7[Tue])


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