2013年05月

工具

商品の仕上げ直しまたは磨き直しとして使う工具にはどの様なモノを使っているでしょう? 主な工具としてリューターとバフがあげられます。
リューターはリングの内側や大型バフでは磨きにくい箇所に対して使います。手元で磨くというようなイメージです。ハンドピースと呼ばれる工具の先端に磨く工程によってポイントを付け替えて使います。先端はスイッチを入れると先端が回転します。その回転しているポイントを当てて磨きます。
機械の形、構造は歯医者さんが使用する歯を削ったりする時に使うドリルとほぼ同じです。
(用途によって違う性能を持つハンドピースも沢山あります)
先端のリューターポイントに研磨粉をつけて磨きます。リングの内側を磨く時はまずキズの深さを確認します。深いキズがある時にはフェルトのポイントに白棒(白粉)をつけて次に目の細かいポイントで、最後に布のポイントに光沢仕上げようの研磨粉(青棒など)をつけて磨きます。
リューターポイントに毛車と呼ばれる豚の毛を束ねて円盤状にしたもの。セラミックやシリコン、これらには番手があり目の粗さをえらんで使います。他にも0.3ミリ〜のドリル、形状様々なカッター状のポイントもあります。職人によって異なりますが、基本切削作業の時は低速回転、光沢仕上げなどの時は高速回転作業します。特に金属系のポイントは高速で無理に当てていると摩擦熱で刃が鈍ったり刃こぼれしやすかったりします。
そして表面の仕上げや面の大きいモノの仕上げにはバフ(バッファー)を使います。バッファーは高速回転のモーターに円盤状(ディスク状)のバフを取り付けてつかいます。固いバフでは木のバフや、ダイヤモンドの粉が塗してあるディスクなどありますが、主に仕上げとして使うバフは布バフ、フェルトバフに白棒や青棒をつけて磨きます。バフは人の手で磨いたりリューターで磨くよりより綺麗な光沢面をだせます。ですが回転数が高く力が強い為モノを引っ掛けないよう細心の注意が必要です。特にチェーンを磨く時は指や他ものが絡まって巻き込んでしまわぬ要工夫が必要になります。
バフもフェルトや白棒の粗めのバフから始まり目の細かいキャラコバフで終わります。
リューター、バフともに仕上げの時は布自の工具に研磨粉を着けて磨きます。研磨粉が色々な箇所に残っているのでこれを洗浄、乾燥させてお終です。
両工具の用途を言葉でいうのは簡単なのですが、面をフラットに保たせたり、角を残したり、時には文字の刻印を消さないようにしたりと意外と技術が必要な場面にも多々出くわします。うっかり刻印を消してしまった。磨きすぎて穴が空いた。なんてことは許されません。綺麗に仕上げるには良い工具とそれを使いこなす日々の努力が必要です。

(2013.5.27[Mon])

プラチナ

今まで人類が生産してきたすべてのプラチナの総量は約4000トンです
一つにまとめると、1辺が6メートルの立方体にしかならないという
貴重で希少な金属です
現存する最古のプラチナ製品は、ルーブル美術館にある「テーベの小箱」とされる
古代エジプトの女性神官シュペヌペットの墓から発掘されたこの小箱に、純度が高い
プラチナ原石が埋まっている
1700度を越える融点のプラチナは、近代まで製錬・加工技術がなく、世に出回ることがなかったため、加工しやすい金のほうが価値が高かったのです
18世紀後半にスペインの海軍将校がコロンビアのピント川でプラチナを発見し
スペイン語で銀を表す「プラタ」にちなんで「プラチナ・デル・ピント(ピント川のちっぽけな銀)」と名付けた、これがプラチナと呼ぶきっかけとなった。
当時は砂金採りを邪魔する厄介者して、砂に混じるプラチナは廃棄されるなど
邪険に扱われていたようです。
それが今では金や銀に劣らぬ高級金属として人気が高いです。

(2013.5.20[Mon])

今ならわかる、金に関して疑問だった事

昔、中学校の頃に放送されてた「スパイ大作戦」と言う海外ドラマで、とあるお金持ちだかアメリカにたてつく国の政治家だかの金庫の中にある金塊を盗み出せという指令がありました。
外から金庫を開けるのは可能性がゼロに近いのですが、唯一金庫の床に開いた排水口の下までは忍び込めるので、そこからマイクロ波(だと思います)を発生させる装置を入れて金塊を溶かして盗もうと言う計画でした。
今考えると、金(純金)溶かすのには1064.18 °Cと言う高温が必要で、当時ポータブルの
バッテリーでそんな大出力のものはなかった筈ですし、かりにその建物から電源が盗れたとしてもそれだけの大電流を盗ったらわかってしまう筈ですよね。
それに何トンもある金塊を運び出すのもあのメンバーの数では不可能だったのではと(笑)。もうひとつ。
時代劇でよく盗賊が大店から千両箱を盗み出して逃げるシーンがありますが、これもかなり無理があると思われます。
小判は時代によって大きさや純度が変わったりしてますが、だいたい1枚10g前後の目方があります。
慶長小判(慶長6年(1601年)頃、14,727,055両(推定値)、4.76匁、84.3%→86.8%)
元禄小判(元禄8年(1695年)9月、13,936,220両1分、4.76匁、57.4%)
宝永小判(宝永7年(1710年)4月、11,515,500両、2.5匁、84.3%)
正徳小判(正徳4年(1714年)5月、213,500両、4.76匁、84.3%)
享保小判(正徳4年(1714年)8月、8,280,000両、4.76匁、86.8%)
元文小判(元文元年(1736年)5月、17,435,711両1分、3.5匁、65.7%)
文政小判(文政2年(1819年)6月、11,043,360両、3.5匁、56.4%)
天保小判(天保8年(1837年)7月、8,120,450両、3匁、56.8%)
安政小判(安政6年(1859年)5月、351,000両、2.4匁、56.8%)
万延小判(万延元年(1860年)2月、666,700両、0.88匁、56.8%)

1匁は3.75g
なので、千両ですから10gX1000で10kg。
箱の重さも加えれば少なめに見ても一箱15kgはあったと考えられ、これを両脇に抱えて(計30kg)走ったり塀を飛び越えるなんて、いくら鍛えてるとは言え普通の人間では不可能じゃないでしょうか?
また、悪代官に袖の下を渡すのに通称「切り餅」を入れた菓子箱を渡してましたが、これも片手でホイホイ渡せる程軽いものではない筈なのです。
「切り餅」は小判が25枚包まれてましたが、これだけで約250g。
菓子箱にはだいたい12包くらい入ってましたから、250X12で約3kg。
片手で持つにはちょっと重いですね(笑)。
最後にアニメーション「ルパン3世」の最初のシリーズの最終回。
ルパン達4人が金庫から大量の小判を布袋に入れて盗み出すのですが、あの人数では重くて相当大変だったと思われます。
その後フィアット500と言うクルマで逃げるのですが、あのクルマに4人乗って大量の小判も積んでいたらまず逃げられなかったでしょうね。
あのクルマ、現代のクルマに比べてとても小さいのに加えて、スポルトモデルでも20馬力ちょっとしかないんです。
この仕事に就いて関係の知識を得てみて、ちょっと夢が無くなってしまったかなと思うこの頃でした。

(2013.5.8[Wed])


バックナンバー
©All Rights Reserved 2009 TAO & COMPANY Inc. Yokohama, Japan
Powered by HL-imgdiary Ver.3.00 Beta