電気やオイルの世話にならず、工夫次第で自由自在に加工することができる工具、ヤスリです。何かを形作るときに使う事の多い工具ですが、当然ながらこの工具を作る仕事をしている方がいます。 実に様々な製造工程を経て、私達の手元で活躍してくれるこのヤスリ。対象物を削るために表面に「刃」がならんでいます。これを「目」と呼びます。その深さ、間隔はヤスリの種類によって異なります。「目」を立てていくことを「目切り」といい、ホームセンター等でよく目にするものは機械で目を切ってある「機械切り」のヤスリ。これに対して職人の手で目を起こして作られたものを「手切り」と呼びます。機械では加工の難しい形状や生産ロットが少ないオーダーメイドに対して自在に応えられるのも手切りの特徴です。 ごくごく小さなものから、形状の特殊なものまで、 そのバラエティーは限りなく広がります。回転工具の先につけて使う、鬼の金棒のような回転ヤスリも手切りで目立てされていたりします。人の手仕事ですから、上手下手、クセや特徴が出るみたいです。 精密なヤスリの目立ては、現在では機械切りの方が良いと言われますが、全てが機械でまかなえる訳ではありません。どんどん減っている手切りの職人さん。頑張って欲しいものです
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