2014年01月

お店が

時計、眼鏡、宝石承ります。という街の宝石屋さんを近頃見かけなくなった気がします。
最近では安くて良質な物が増えて着ました。眼鏡も1万円以内で買えたり、ネックレスとピアスのセットで1万円という商品販売または通販なんかも増えてきています。時計もそんな商品のひとつです。何十年か前は高級品で1本何万なんて当たり前だったのでしょうが安くて使いやすい時計がでまわっているのが現状でしょう。
高級時計といえばスイスだと思いますが、日本のカシオのクォーツ時計の出現によって安くていい時計が当たり前になってしまいました。当時のスイスの時計職人の4人に3人は職を失うという事態がおきてしまったそうです。その対策としてスイスの「スウォッチ」のデザインとファッションを取り入れたオシャレな時計がブームになりスイスの時計業界は持ち直します。その後高級時計メーカーのオメガなどはスウォッチに買収されることになりましたが、スウォッチ資本でオメガには高級時計を作り続けるように計らいました。こうした結果今やスイスの時計は手作り1点ものの希少価値もついで高価な時計を売り続けています。
高級時計は200〜3千万円ぐらいが基本らしく手作りになるとさらに値段が上がります。とある会社ですと年に職人20人で20本、1ヶ月に1本のペースが生産の現状らしいです。スイスには公立の時計学校があり学費は0円。若い人の4割は時計職人を目指していて、時計会社も若い職人を欲しているらしく国全体で職人を大事にしているそうです。ちなみに初任給は40万ぐらいで1流と呼ばれるくらいになると年間給料1億円なんて職人さんもいるそうです。
色々な機械や技術の発展によって誰でもパソコンと機械を使えるようになれば安くて使い勝手のいい品が簡単に作れるようになりました。安くて当然の時代になった1つの原因だと思います。時計に限らず、日本の職人は海外からみてもいい職人は沢山いると思います。それなのに技術の安売りのようなことをしている今現在は少し残念な気がします。スイスと同じようにとまでは言いませんが日本も国やメディアなどで盛り上げてもらい、手作り1点物の興味をもってもらえたらなとおもいます。いち職人として、そういった仕事の増えてくれたらうれしくいなと思っている今日この頃です。

(2014.1.28[Tue])

3Dプリンター

先日社内で3Dプリンターの話になりました。
液体の樹脂を固めていって、立体を作るという機械ですが、以前はかなり高い金額でしか手に入らなかったものが、遂にコストダウンに成功して、十万円台くらいで手に入るようになったという話でした。

私達の業界ではオリジナルの指輪やペンダントを作る時には、ワックスというロウソクのような物を削ったり、盛ったりして原型を作ることが多いです。
ワックスにはいろいろな硬さがあって、作るものに合わせて、例えば流れるようなデザインの時にはやわらかめのワックス、ガッチリと立体的な形が出ているものを作る時には、硬めのワックスを使います。
昔はこのワックスを専用の工具で全て手作業にて成形していくのが主流でしたが、最近はこれをコンピューター制御の機械を使って削っていくように変化してきていました。
この機械もまだそれほど安くはなかったのですが、この3Dプリンターを使えばそれも解決できそうです。

実際にどのくらい細かいところまで形を再現できるのかはよくわかりませんが、確実に原型製作の機械化は進みそうです。
機械の進歩の速さはすごいですね。

(2014.1.24[Fri])

誤表示?

有名百貨店内で扱っている食品や料理の原材料、この「誤表示」が次々ニュースになっていましたね。個人的には「誤表示」と言い放つ事にかなり違和感を覚えましたが、これは宝石にもあることなんです。こちらは明確に消費者を欺こうとしているので「誤表示」というよりは「詐称」にあたりますかね。いえ、ニュースになっている百貨店さんのほうがどんな理由で「誤表示」に至ったかは知りませんけども。
ブラジルで初めてダイアモンドが発見された頃、それまで唯一のダイアモンド産出国だったインドの業者が危機感を覚えて「ブラジル産のダイアモンドは質が悪い」という噂を流したところ、ブラジルの業者はその風評被害を防ぐために一度インドへ輸出してから、インド産として販売したそうです。 近年では、高価なルビー、サファイア、エメラルドには、産地証明書が付けられることがあります。ルビーならミャンマー、ブルーサファイアならカシミール(インド)やミャンマー、エメラルドならコロンビアが高い品質(美しい色)の宝石を産するとして広く知られています。それを証する書類があれば、取引上有利であることが理由のようですが、ミャンマー以外でも美しいルビーは出ますし、ミャンマー産であっても色に劣るルビーは多くあります。
宝石の産地信奉なんて、衣類やカバンなどのブランド信奉の心理とにたようなものですね。日本人の弱いところでもあると思いますが。
宝石の産地を特定するのはとても難しい事です。世界中あらゆる産出地で採掘される鉱物全ての充分かつ詳細なデータと、それを照らし合わせていく経験やスキル、設備などなど、おそらく完璧に特定する事は無理でしょう。証明はできない。宝石の産地の信憑性はそんなものなのです。
ブランドや産地に囚われず、「その物」の価値を見出すのも、また難しい事です。騙すやつが絶対悪い。ですが騙される側の目が曇っていることも往々にしてあることなのかもしれません。

(2014.1.10[Fri])

ホープダイヤモンド

持ち主を次々と破滅させながら人手を転々としていく「呪いの宝石」として有名です。
かなりの部分は脚色されているようですが・・・。}

1668年に当時、所有者だったフランス人のタヴェル二エからルイ14世が購入。
112と3/16カラット
あったダイヤをカッティングされ67と1/8カラットの宝石となり、「フレンチ・ブルー」ブルーダイヤモンドと呼ばれました。
史実的に確実な話では、ルイ14世がダイヤを購入した頃からフランスの衰退の兆しが現れはじめ、以降のフランス経済は停滞して「フランス革命」の原因となっている。
また、ルイ15世は天然痘で死亡し、その後ダイヤの所有者となったルイ16世と王妃
マリー・アントワネットはそろって「フランス革命」で処刑されました。
マリー・アントワネットの寵臣ランバル公妃はこのダイヤを度々借りていましたが、やはりフランス革命軍により惨殺されています。

現在は45.5カラットになってアメリカの「スミソニアン博物館」に所蔵されています。

このダイヤ、紫外線を当てると1分以上に渡って赤い燐光を発します。
ダイヤモンドに紫外線を当てると発光するのは珍しくないですが、赤く、しかも1分以上も光続けるというのは極めて珍しく、現在も原理は解明されていません。

(2014.1.7[Tue])


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