2014年03月

仕上げ方法

毎日の作業を通じて、いろいろな宝飾品のサイズ直しや磨きをやるわけですが、その中にはひと手間かけて、商品の表面にいろいろな表情を与えてあるものがあります。
テクスチャーと一言で呼んでいますが、その種類は多種多様で、作り手の方々は様々な工夫をして独自の表現をしています。

ごく一般的に使われているのが、紙やすりを擦って得られる線状のテクスチャーや、砂の粒を作品にぶつけて得られる梨地のテクスチャーです。
鏡面にはない独特の風合いが落ち着いた感じを出していて、使い方によって作品の雰囲気がかなり変わります。
仕事上では、こういったテクスチャーを持つものには難儀するのですが、できる限りその風合いを残して作業を進めたり、テクスチャーを新たにつけ直す事もします。
ただ、元と同じテクスチャーをつけるには、最初に使った道具を特定してから始めないと同じテクスチャーにはなりません。
なので、同じテクスチャーをつけるのはかなり難しい作業です。
紙やすりだけを考えても、400番とか、800番とか、いろいろな番手がありますからね。

修理する際にはちょっと難儀しますが、それでもピカピカに磨かれた鏡面仕上げにはない作品独自の風合いは、身につける人にちょっとだけ満足を与えてくれますよね。

(2014.3.25[Tue])

ブルーダイヤ

先日、南アフリカのカリナン鉱山で、希少なブルーダイヤモンド29・6カラットの原石が発掘されたそうです。今回見つかった原石は、数千万ドルの値段がつく可能性があるそうです。昨年には25・5カラットのブルーダイヤが見つかり、1690万ドル(約17億6500万円)で売却されたそうです。そんな大金で石1個買ってしまう人がいるということにも驚きです。
ダイヤモンドは透明感がありキラキラとしたイメージを普通の人は持っていると思っている人がほとんどでしょうが、原石となるとそうはいきません。少し不透明で四角錐を2こくっつけたような8面体の原石か基本です。最初にあげたブルーダイヤもきっとそれに近い形で少しいびつな格好をしていると思います。ここから研磨や処理を行って行くのでカットによっては少しカラットが落ちると思います。買った人が原石のまま飾るのか宝石として研磨するのかどちらを選ぶのでしょうね。
何十臆円といった原石を研磨する職人さんもかなり根気のいる仕事になると思います。元々割れやすい石とはいえ「割れました」の一言だけで事がすむとはとても思えません。
 石の種類は違いますが、アメジストやクリスタルなんかも原石のまま売られていますよね。全部の原石が宝石に研磨するのに向いているわけではないので売る側も色々と工夫が必要です。
大きな原石で大きな宝石に研磨したとしてもそれに合うアイテムの枠(リングやネックレスなど)も必要になってきます。しかし人が身につける訳ですから大きすぎで、重量がありすぎるととてもジュエリーとして身につけて要られません。着けても身動き取れ無いなんてことにもなりかねません。大きな水晶球をネックレスとして身につけても格好悪い気がしますよね。
大きい物には大きい物の良さがあるのは確かですが、やはり何事もほどほどが1番美しいのだと思います。

(2014.3.17[Mon])

ブランド刻印

みなさんはブランド刻印をじっくり見たことがあるでしょうか?
リング、ペンダント、ブレスレット、ピアスいろいろな物に刻印が入っています。
通常は、地金の種類と石目(カラット数)などが入っていますが、ブランド物には
それに加えて自社の製品であることを証明するブランド刻印が入っています。
刻印は、ブランド名であったりブランドモチーフであったり、また印字の種類も
手打ちであったりレーザーで打ち込まれていたり、多種多様にあります。
ブランドは自社オリジナルの刻印を作成しているので、再販する場合なども
ブランドの証しとして、保証書がなくても証明してくれる場合が多いです。
なので、刻印が消えてしまうと市場での価値が一気に下がってしまいます。
古い物になると今とは違った刻印が入っていたり、刻印自体が入っていない物もあるので
本物かどうか非常に判断が難しいところではあります。

(2014.3.7[Fri])


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