2016年07月

カレッジリング(印台リング)


日本ではそれほど馴染みのないものとなっているカレッジリングですが、そんなリングの原点ともいえるところは『シグネットリング』と呼ばれています、ヨーロッパ貴族が各々の紋章をリング丈夫に彫刻した大型リングがその全ての発端だそうです。
またヨーロッパにおける紋章というものは中世期においては家柄や身分などを表しており、当然それらを示すために指輪などにはそうした厳密な規則に従って作成されていくことになります。分家や縁組と派生して行くことでさまざまなバリエーションが生まれることになり、自らの出自を表すものの一つとして一人ひとり別々のデザインで作られることもあります。
リング上部の紋章を押し付けて、『この手紙は間違いなく自分が描いて、封をしたもの』と証明するといった意味合いも持っていました。日本ではこうしたリングを『印台リング』とも呼ばれていましたが、これは本来の目的や用途を理解されていなかったことから、『指輪の形の一種』といったものとして普及することになっていきます。

(2016.7.28[Thu])

古代の宝石(琥珀)

琥珀(こはく)とは、数千万年前に地上にあった樹木の樹脂が土砂などに埋もれ化石化したものを言います。
鉱物ではありませんが琥珀のように植物に属するものはかなり珍しく、硬度は鉱物に匹敵するほど硬く、色は黄色を帯びたあめ色のものが多です。
多くはヨーロッパなどで産出され古くから宝飾品として珍重されてきましたが、意外にも日本でも産出されます。久慈は良質な琥珀の産地として有名です。
自然に花、葉、昆虫などが入り込むことがあり、宝石といえば不純物がない方が希少価値が高い物が多いですが、琥珀に限っては上記のような不純物が混ざっていた方が希少価値が高く、学術的にも価値があります。
数千万年も前の生物が閉じ込められていると思うと何か魅力がありますし、パワーストーンとしても有名なので一つくらい持っておくのも良いかもしれませんね。

(2016.7.25[Mon])

硬度

ダイヤモンドの次にモース硬度の高い石がルビーとサファイヤです。ルビーの指輪という歌が昔はやりましたね。ルビーはコランダムという鉱物でサファイヤもコランダムで鉱物学的には同じ性質の石です。中に含まれている物質にクロムが入っていればルビー、鉄やチタンが入っているとサファイヤと呼ばれます。大きな違いは色なのです。ルビーは赤色で青色はサファイヤです。血のように赤いルビーをピジョン・ブラットと呼びとても希少で高価な石になります。赤色でも少しのクロムしか入っていないものはピンクサファイヤと呼ばれオレンジ色かかった物をパパラチヤと呼ばれます。ルビーとサファイヤは透明〜半透明な石です。ですが天然でできた石は必ずと言っていいほどインクルージョン(内包物やヒビ、気泡など)が入ってしまいます。完全に透明で色鮮やかといった場合は合成石と言ってもいいでしょう。ジュエリーに扱われている物には何かの処理が施されているのでルーペなどで見ない限りインクルージョンはそんなに気にならないかと思います。ルチルという針状の結晶が多く含まれると半透明になり、反射光が星状に見えることからスタールビー、スターサファイヤと呼ばれるようになります。宝石は透明度が高いほうが上質とされますが、スター効果はルチルの含まれる量などによって見え方が変わりますので天然で全く同じスターは出ないと思います。そう考えると半透明ながらもスタールビー、スターサファイヤは希少であり高価な石であると思います。宝石にも流行はありますが、ダイヤ、ルビー、サファイヤの人気や価値は変わらないと思います。個人的にはルビーが好きなのですが20カラットを超えるようなルビーは世界に数個しか存在していないそうで、大きなルビーをこの目で見て触ることが一生のうちに出来たらなと切に願っています。

(2016.7.13[Wed])

投資の対象?

先日ジュネーブのサザビーズ・オークションにて15.38カラットのピンクダイアが、 円換算で34億円ほどで落札されたそうで,これは史上最高額なんだそうです。
1カラットあたりは2億2300万円くらいとの事で、金額的には最高額ですが予想上限の約40億円にはとどきませんでした。
色的に余りいいものではなかったので上限まで買い上げる向きがいなかったのだろうと言われてます。
また同時に7.32カラットのブルーダイアも円換算で18.6億円ほどで落札されましたがこちらの方が1カラットあたり2億5400万円でピンクダイアより実は高く買われています。
しかし、このダイアは鑑定ほど色が良くなく専門家なら先ず手をださないものなんだそう。

カラーダイアモンドは色が全てなんだそうで、上記の2点は最高級の色ではなかったためオークション会社の設定上限に達しなかったにも関わらず其れでも物がないためここまでの値段が付くのは相場の原理ですね。

今後は益々もの不足になりますから価格は下がらないでしょうし、パナマ文書によるオフショア名義公開もあり、名義が残らない実物資産である高級ダイアや絵画等に次第に資金が流れていると言われております。
今後は更に富裕層の資金がこっちに集まる事になるのでしょう。
しかし、あるところにはあるものなんですね。

2016.7.2[Sat]


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