2016年09月

燻し加工

              
シルバー(銀)は、硫黄と化学反応を起こすことによって、「硫化銀」という物質ができます。
この硫化銀こそ、黒い変色そのものなのです。
置きっぱなしのアクセサリーが変色してしまう原因は、空気中の微量ながらも「硫化水素」(硫黄成分)がシルバー(銀)に反応し、表面に硫化銀ができる為に黒くなるのです。

実は、この変色の性質を生かして、燻し(いぶし)加工を行います。

必要に応じ、化学反応によって生じる硫化銀を生かし、
デザインとして、又、全体の陰影を整える為に、あえて黒く変色させることを「燻し」といいます。
磨くべきところは磨き上げ、立体的に見せるために影を落としたい箇所には燻しを入れるなど、
箇所に応じて使用すると、デザインの表現方法が広がります。

あえて武骨に仕上げたい時、陰影をだして重厚さをだしたい時、アンティークに仕上げたい時 などなど
「燻し」加工がシルバーアクセサリーの魅せ方の重要を握っているといっても間違いではないと思います。

(2016.9.29[Thu])

カット

宝石には色々なカッティング技術が用いられています。大昔、現在のカッティング技術が世に出る前までの宝石と呼ばれているたちは川で見つけた綺麗なガラス質の石と同様に綺麗な透明な石でしかなかったのだと思います。そのままの原石でも綺麗な石たちですが、より綺麗に見せる為にカッティングが行われたのは14世紀頃からで、テーブルカットやステップカットのように主に平らにカットから始まったそうです。ダイヤモンドで有名なブリリアントカットが生まれたのは1919年頃でまだ100年たっていないというのが驚きです。カットに種類がいくつもあるのは科学技術の発展に比例して増えてきた訳です。ハートシェイプやマーキースのようなファンシーカットと呼ばれる特殊な形のカットも数種類存在します。原石を研磨、カットすると総重量Ctが減ってしまいます。また、天然石は自然に入ってしまったヒビや内包物がある事がほとんどなので綺麗な個所だけをカットすると丸にならない事が多く無理に丸くすると採取時よりも小さい石になってしまいます。これではせっかくの大きな石が勿体ないので特殊なカットでより大きく綺麗に見せる為に特殊な形のカットが必要になってきます。さらには石によって屈折率が違うのでブリリアントカットのように複雑なカットをするよりシンプル形、例えるなら、エメラルドにはエメラルドカットの様な方が価値的にも見栄え的にも良いこともあります。宝石をよりよく見せる為、研磨職人達の長い年月をかけた研究が今のジエリーに役立っているのですね。

(2016.9.27[Tue])


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