2018年11月

石止め

私ども職人が気をつけているけどたまにやってしまうある事・・・
あまり大きな声では言えませんが、石留めしていて石を欠いてしまう事があるんです。
最近は年に一度小さなものをやってしまうかといった頻度ですが、全くゼロではないんですね。
いつも思うのは「この割れた石、何とか再利用できんか?」
なんてネットを検索したいたら山梨に本社がある企業がヒットしました。
最近流行りのクラウドファンディングを利用したサービスで趣旨はこんな感じ。
「クラウドファンディングを開始したきっかけは、ジュエリー職人が石を割ってしまい、その宝石をどうすることもできずに処分しなければいけない、そのような瞬間を
目の当たりにしたことでした。宝石は、指輪やペンダントなどの高級なものに使用され、少しの欠けも許されません。石を修復する作業もできますが、その作業にまたお金がかかってしまうため、欠けた宝石は捨てられ、新しい宝石を使うという、勿体無いサークルができていました。
そのような宝石たちをなんとか再利用できないかと考え、今回のクラウドファンディングで、この欠けた宝石を使ったジュエリーを紹介しています。」
なるほどこういったやり方なら企業側にリスクも少なくなるし製品の金額も抑えられるというわけですね。
リターンは
カケラ宝石3石+LINE@ご登録で1石プレゼント ¥3,300
カケラ宝石8石+LINE@ご登録で1石プレゼント ¥8,300
ビン宝石+LINE@ご登録で1石プレゼント ¥16,500
チェーンリング早割コース+LINE@ご登録で1石プレゼント ¥24,500ペンダントコース+LINE@ご登録で1石プレゼントコース ¥24,500
ふむふむ、今回の目標金額が\300,000なので結構いいですね。
ネットを上手に使えばこんな事ができるいい例ですね!

(2018.11.30[Fri])

三種の神器

三種の神器って知っていますか?鏡、玉、剣のことで古事記や神話などで話に出てくる宝物です。知っている人は写真や絵などを見たことがあるとおもいます。玉と剣は見たままなので納得できると思うのですが、鏡に関しては「これが鏡?」と不思議に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。写真等だと模様の様な面しか映っておらずしかも金属が酸化して錆びた様な雰囲気になっています。これで顔とか映るのかな?何て思いますよね。大昔のこの手の鏡は青銅鏡と言われ模様の反対側の面を鏡面仕上げにして鏡として使っていたようです。青銅は銅と錫(スズ)の合金で色味は割合にもよりますが白銀色〜薄い銅色です。イメージとして新品の十円玉またはステンレス製のお鍋の蓋を想像していただくといいかもしれません。現代ほど安易には造る事は出来なかったでしょうから日用品に青銅を使うのは贅沢な品だったのでしょう。現代の鏡よりは鮮明に写らないとしても初めて自分の顔を見たときは驚きと感動があったことでしょう。
鏡面仕上げ、光沢仕上げは割と神経を使う仕上げです。少しの凹凸や歪みがあるとすぐに判ってしまいます。指で擦ったりしても跡が残ります。現代の技術でも苦労して仕上げるのに当時の平面の鏡面仕上げはどのように行っていたのだろうかと疑問に思います。やはり匠の技ってのが時代ごとにあるのでしょうね。

(2018.11.29[Thu])

パラジウムとは

           
パラジウムは、ゴールド(金)やプラチナ(白金)と同じ貴金属で、その単体は柔らかい銀白色の耐食性に優れた白金族元素の一つです。
パラジウムは、1803年にイギリスの物理学者、ウイリアム・ウォラストンによって発見され、当時発見されて話題となっていた「小惑星パラス(Pallas)」に由来して
パラジウムと命名されたそうです。

一般にパラジウムは、水素を取り込む能力に優れて、また、白金系金属の中では、融点が最も低いことから加工性に優れています。

パラジウムは、その希少性から、レアメタルにも数えられ、主にロシア、南アフリカ、北米で生産されますが、その中でもロシアと南アフリカで世界供給の約8割を占めています。

現在の相場ではプラチナより高価なため、PT1000より
PT900の方が高くなる、逆転現象が起きています。

(2018.11.26[Mon])

宝飾用の机があるのは皆さまご存じでしょうか?
メーカーごとに形はもちろん違うのですが、基本的に道具を入れる引き出しとヤスリで削ったプラチナやゴールドの粉を入れる引き出しがついています。
現在使っている机は前任者から引き継いで使っているので、かなりの年数がたっています。
引き出しが大分擦り減ってガタついているし、時折引き出しの取っ手が抜けたりします。
その度に補修をして騙し騙し使ってますが、かなり限界ではあります。

机を替えれば良いように思われると思いますが、そこは一応職人の机の為、いろいろと不都合があります。
机の窪みが刻印を入れる時にやり易かったり、人それぞれの癖が机には詰まっています。
なので、買いかえればすぐ使えるというものではなくて、少し困ります。

買い替えたらいろいろと不便があると思うと、なんだかんだ直して使ってしまうのが、宝飾の机です。

(2018.11.15[Thu])

変色

ュエリーに使われる地金というと主にシルバー、金、プラチナがあります。この中でも最も変色しやすいのはダントツにシルバーで、日常的に身につけていても鈍くくすんだ色になったり黒っぽく変色してしまいます。
その原因は空気中に含まれる水分であったり、皮脂のわずかな弱酸性であったり様々です。使用後にクロスで拭き取ったり、軽く水洗いをしてしっかり乾かしてからしまうことできれいな状態を長持ちさせられます。

またシルバーは硫黄に反応して変色が顕著に表れるので、シルバー製品を着けたまま温泉に入ると真っ黒に・・・なんてこともあります。
少し前まで凹凸のあるデザインのリングやウォレットチェーンに部分的に変色させて渋みのあるいぶし銀のアクセサリーも流行っていましたね。

私たち職人もシルバーの変色には、特に梅雨の時期や雨の続く日にはいっそう気を配って取り扱っています。

(2018.11.5[Mon])


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