2019年01月

合成ルチル

合成ルチルという石をご存じでしょうか?

ルチルと聞くと、金色の針が石の中に入っているような見た目のルチルクオーツをイメージされる方が多いかと思いますが全くの別物です。

合成ルチルは人工的に作られた無色透明の石で、ダイヤモンドの代わりに使用されていました。簡単に言ってしまえばダイヤモンドの偽物です。

合成ルチルは 1950年代に出回っていたと言われています。今ではほとんど作られていません。
1950年代といえば日本では戦争が終わってちょっと経った頃でしょうか。
そんな頃に人類は「宝石の合成」なんて高度なことをしていたと聞くと驚きです。

合成ルチルの最大の特徴が、どの石よりもズバ抜けて高い分散値(ディスパージョン)です。
分散とは宝石にみられる光の効果で、反射した光が虹色に見える効果です。

ダイヤモンドの分散値は0.044ぐらいなのですが、
合成ルチルのは0.330ほどあり、ダイヤと比べるとズバ抜けて高く、強く七色に煌めきます。

ある意味ではダイヤよりも綺麗と言えるかもしれません。

しかし、あまりに強く煌めき過ぎるため、「ダイヤモンドではない」と専門家ではない人にも判別しやすい為、後の本物によく似てるダイヤの類似石などの登場により
合成ルチルは世間から姿を消して行きました。

今ある物は多くが当時に作られたものであり、モース硬度も6程度で割れやすく、手に入れようと思ってもなかなか手に入らない貴重なものです。

どこかで見かけましたら、ぜひ一度 お手に取ってみてください。

(2019.1.30[Wed])

貴金属に関わっていると、必ず耳にするのが「相場」という言葉。
ニュースなどでも「金の相場が云々」といった話がよく出ます。
相場」とはその時々の対象の金銭価値を表すもので、金に関しては
現物取引を行うのはロンドン市場で、先物取引を行うのはニューヨーク市場の証券会
社であり、この市場の価格をもとに金の価格が決められていきます。
金は昔から装飾品やコイン、金の延べ棒、金小判など非常に価値の高いものとして認
められ、富の象徴とされてきました。
その理由はやはり、黄金に輝く光沢にあわせ、加工しやすいという利点から、ありと
あらゆる飾りにすることが出来たからです。
また、これまで採掘してきた金の総量は推定約16万tとされ、これから採掘可能な
地下埋蔵量も約6万t程度とされていることからも、非常に希少価値の高い金属です。
現物としての金の需要は宝飾関係だけでなく電子部品などの生産にも使われるため
携帯電話やスマホなどの需要が上がれば金価格の価格変動は上昇することになりま
す。
一方、実需だけで説明がつかない値動きの要因として大きなものが投機マネーです。
長いスパンで見れば実需として申し分のない金は、株価のように紙切れになることは
考えられませんが、短期では投機マネーの影響が大きく関わってきます。
この投機マネーを動かすファンドなどは世界的な経済情勢をにらんで売買を仕掛け
てきますので、金の需要とは裏腹に価格が上下します。
ここ10数年で金の相場は倍近くになりました。
今後大きく値下がりしたりはないと思われますので、まとまったお金をお持ちの方
いかがですか?
話は少しずれますが、ロジウムという私どもはホワイトゴールドにかけるメッキに使
う金属が在りますが、これが今年に入ってからじわじわ上がってきました。
需要の大半がガソリン車の排ガス浄化用触媒である三元触媒の一材料として使われ
るもので、一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(いわゆるNOx)の浄化を主に担っています。
2014年には自動車用触媒向けの需要が増加し、過去30年で生産量が最高とりました。
今後自動車の生産は伸びるのかアメリカやヨーロッパの動向によって左右されます
が、あまり相場が上がると困る事が・・・メッキ代が上がると利益的にきつくなりま
す。

(2019.1.25[Fri])


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