最近業界では『パラジウムが高くて困る』という声をよく聞きます。 どういう事かというと、プラチナ900〜950やホワイトゴールドに配合している 割り金としてのパラジウムが高騰しているので利益を圧迫していると言う事です。 昔は金よりプラチナが約1.5倍ぐらい高いのが相場でしたがここ10年くらいで立場 が逆転、それに驚いていたらいつの間にかパラジウムが肩を並べ、ついには今年の春 トップの座に。 なぜこうなったかと言うと、ジュエリー業界以外からの需要が増えたのと、高騰を見 越して投機が増えたためと言われてます。 ジュエリー業界以外というのは自動車関係が主のようで もともとの供給不足感 世界経済の成長に伴う自動車生産増加 ディーゼル車からガソリン車へのシフトに伴うパラジウム需要の増加 需給バランスの逼迫。現物の不足感は、2010年頃から出てきており、2018年は、41 トンの不足。 供給不足を狙ったスクィーズ(玉締め) 米国によるロシアの経済制裁:ロシアからのパラジウム供給不足 米国のINF全廃条約破棄によるロシアとの関係悪化 世界的な動きが絡んできてるわけですね。 パラジウムはプラチナやニッケルなどの副産物として生産されるため、生産 量は主産物の産出動向に左右されるのだそうで、2010年代、南アフリカのプラチナ 鉱山で閉鎖が相次ぐとパラジウムの生産量が減少して価格が高騰。 今まで脇役だった役者さんがいきなり主役になったものだから本人も周りも大騒ぎ って感じでしょうか? 当社でも影響が若干ありましたよ。プラチナをろう付けするロウ(何を使うか、また その割合は企業秘密です)にパラジウムを使っているのですが、その割合を下げざる を得ないくらいでした。 何せ貴金属は『目方でドン』ですので結構シビアです。
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