2019年10月

硬い

世界で一番硬い宝石としてモース硬度10にあてられるダイヤモンドですが、その組織は99%以上が炭素でできています。もっと身近な炭素物質の例を挙げると鉛筆があります。
ですがダイヤモンドと鉛筆ではもろさが全く異なります。炭素の結合構造の仕組みが立体構造か平面構造かによって硬度が変わってきます。炭素は結晶構造などの違いによってさまざまな性質や形を持ちます。
つい最近ではカーボンナノチューブというブラックホールの色とも表現される世界一黒い素材が発見されました。光を99.995%吸収し、ほとんど反射しないため穴があいたように見えます。
この素材をイエローダイヤモンドに塗った実験の写真がありますが、背景の黒よりも不自然に黒く、まるでCGで塗りつぶしたかのような写真でした。同じ炭素という原子でも光り輝くダイヤモンドにもブラックホールほどに黒い素材にも成りうるというのは大変興味深いですね。

(2019.10.29[Tue])

最古のブライダルリング

ブライダルリングを贈る習慣は、いつ頃からあったか知っていますか。
なんと、6000年以上前の古代エジプト時代から存在していたそうですよ。
結婚式でリングを使用した最初の人々だといわれています。

当時は金属の指輪ではなく、麻や葦(あし)の紐を永遠の象徴である円の形に編み、心臓へまっすぐ走る血管があると考えられていた『左手薬指』に付けていました。ブライダルリングを左手薬指に付ける習慣は、古代エジプト時代から続いていたのですね。
そして古代エジプト人は、この心臓へと直結する静脈を「愛の血管」と呼んでいたそうです。きっと愛のある婚姻関係が多かったのですね。

最古のブライダルリングとして使われていた麻や葦(あし)は、耐久性が非常に乏しいため、のちに骨・革・象牙といった硬い素材を使用されるようになりました。
さらに時代は進み、古代ローマの時代ではもっと丈夫な鉄製が使われるようになりました。
3世紀には金や銀の指輪へと変化していき、そして中世で宝石が飾られ始め、15世紀にはダイヤモンドがあしらわれるようになりました。

古代ローマ時代は家と家の結び付きに重きが置かれており、愛する者同士の結婚は少なく、より高い素材を使った婚約指輪を贈ることで、主人の裕福さを表していたそうですよ。
時代や国によって、ブライダルリングの在り方がずいぶん変わるのがわかりますね。

(2019.10.15[Tue])

コランダムの高温低圧処理

今の宝飾業界のサファイヤ・ルビーを代表するコランダム系の石はほとんどが
いわゆる熱処理をしている。
その歴史は古く、1045年ルビー・ピンクサファイヤの青みを取るために低温加熱を始めた
1916年 サファイヤの色を明るくするために「低温加熱処理」 この方法は現在も
使われている。1966年「処理の高温化」約1500度
1980年 「チタン格子拡散法」チタンを添加してブルーの色を濃くする
同時代に電気マッフル炉が使われて、スリランカ産のサファイヤがイエロー・オレンジ色に
変わることになった、今までは色を濃くするなどで作業をしていたが
革新的な技術で色を変えてしまうことができるようになった。
その後も、フラックス修復=傷が消える  ベリリウム拡散=色を明るくして、ひび割れを修復するなど、進歩の速度が速い。
2009年 高温加圧法が登場した、技術により目覚ましい発展をするが
全ての石が正しく鑑別されることは無く、市場に出回っている
どこまでを天然石と呼んでいいのか、難しい時代になってきている。

(2019.10.10[Thu])


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