2020年11月

ロー付け

ジュエリーの溶接は多くの場合「ロウ付け」という方法で溶接されています。
「ロウ付け」「ロー付け」などとも表記されますが、漢字で書けば「蝋付け」なので「ロウ付け」と言う方が正しいかも知れません。でもどちらの表記でも意味は通じます。

ロウ付けは、溶接したい箇所に本体よりも低い温度で溶ける金属を溶かし込んで溶接する方法です。

しかし「金属の溶接」ということであれば他にも様々な方法があります。
ガス溶接、アーク溶接、ティグ溶接、レーザー溶接、抵抗溶接、摩擦圧接、爆着 など少し挙げただけでも実に様々な方法があります。しかしジュエリーでは「ロウ付け」がもっともポピュラーです。

レーザー溶接も多く使用されていますが、レーザー溶接は表面的に溶接されやすく、ロウ付けに比べると強度が出しにくいため、強度が必要な箇所は基本的にはロウ付けで溶接されます。

何故、ジュエリーで他の溶接方法ではなくロウ付けがポピュラーであるのかといえば

「溶接」の方法の中でもロウ付けが最も本体の形を残したまま接合することが出来る方法であるからです。

溶接とは読んで字の如く、溶かして接合させる方法です。「接合したい物を溶かして液体にしてくっ付けて固体に戻す」ということになります。
固体を液体にしてまた固体に戻すとやはり物の形が大きく変わります。
しかしロウ付は本体をほとんど溶かさずロウ材を溶かすので、ジュエリーに必要な微妙な形を残したまま溶接が出来ます。

また、ジュエリーで使われている貴金属の特性が非常にロウ付けと相性のいい性質であるとも言えます。
例えば、ステンレスを通常のジュエリーと同じ様にロウ付けを行おうとバーナーで熱すると、一定の高温になった途端 表面に黒い非常に強固な酸化膜が発生し、ロウ付けが困難な状態になります。
この酸化膜は除去するのも大変でちょっと磨いたぐらいではなかなか取れません。ヤスリ等でガリガリ強く削り取らないと除去する事が出来ません。見た目にも悪影響が出やすくなります。
その黒い酸化膜が発生しないぐらいの低温でロウ付けすることは可能ですが、貴金属のロウ付け程の強度が出ません。ジュエリーと同じような条件では場合によっては手で力を少し加えただけで簡単に外れる場合があります。くっ付ける面積を増やしたりロウ材を大量に盛り上げれば強度をあげることは出来ますが、見た目の美しさからジュエリーには不向きな状態になります。
シルバーやゴールドもバーナーで加熱するとやはり酸化膜が表面に出来ますが、ステンレスの表面に出来た酸化膜より圧倒的に簡単に除去する事が出来ます。強度も十分なぐらい出るため、見た目を損なう程のロウ材を盛り上げる必要もありません。

貴金属の物質的な特性との相性、ジュエリーという微妙な形を求められる物との相性が良いため、ジュエリーの溶接ではロウ付けが多く使用されています。

(2020.11.30[Mon])

コロナ渦の仕事は

コロナ渦で業務上の無駄に注目が集まっていますね。
同じ仕事をこなすのであれば、時間が短い方が良いのは当たり前ですし、余った時間で
別の仕事もこなす事ができます。
そこまでの仕事がなければ、社員は早く帰ることができ、忙しい時には過ごせない自由な時間を過ごすことが出来るのですから、デメリットは全く有りません。
私達のような納期仕事の場合、忙しい時と仕事の少ない時の均質化というのはなかなか難しく、仕事に余裕のある時にいかに繁忙期に備えるかがカギのような気もします。
今回のコロナを機に今よりもより合理的な仕事の方法を考えていけたらいいのではないかと考えています。
余裕を持って仕事をするほうが、楽しく仕事もできるでしょうし、モチベーションも上がりそうですからね。

(2020.11.25[Wed])

ダイヤモンド電池

廃炉になった原子力発電所から出た半減期5730年の炭素14を使用することで、この
電池はほぼ無限に電力を供給できる可能性があるのだそうで、最短で約12.4年、最
長で5,000年の寿命があると試作品を開発したブリストル大学の物理学者と科学者
のチームは語っています。
、人工ダイヤモンドを放射性物質の近くに置くだけで電荷を発生させることができる
のだそうで、太陽光発電と仕組みは似ているそうです。
可動部分がなく、排出物も発生せず、メンテナンスも不要で、放射性物質をダイヤモ
ンドの内部に封入することで、長期的に問題となっていた核廃棄物を原子力発電のバ
ッテリーに変え、クリーンなエネルギーを長期的に供給することができ、しかもとて
もコンパクトにできるという夢のような電池です。
ただし一般に使われている乾電池と違って出力が小さいので大電流を必要とするモ
ーターや照明などには向かないようで、もっと小さな例えば補聴器とか心臓ペースメ
ーカーなどに応用が効きそうだとのことです。
あとは人工衛星の観測装置とかとにかく長い時間少量の電力を供給するような使い
方がいいようです。
数年後に実用化されたらあっという間に生活の中に溶け込んできそうですね。

(2020.11.18[Wed])

煌めきを楽しむオパール



石の内部でさまざまな色がゆらめくオパールは、サンスクリット語で宝石という意味をもち、古代ローマ人に愛と希望の宝石として大切にされていました。
日本では、ゆで卵の白身に似ていることから「蛋白石」と呼ばれています。
オパールの特徴となる色とりどりの光のゆらめきを“遊色効果”といいます。その遊色効果をもつオパールを「プレシャスオパール(貴蛋白石)」と呼び、遊色効果のないブルーやピンクを典型とした優しい色合いものは「コモンオパール(普通蛋白石)」と呼ばれています。

さまざまな色合いを持つオパールですが、大きくは「ホワイト、ブラック、ウォーター、ファイア」の4つに分類されます。
*ホワイトオパール*
ライトオパールとも呼ばれ、地色が白色または乳白色で鮮やかな遊色効果を発する。
*ブラックオパール*
最も希少で価値が高いオパール。地色が澄んだ濃い色で、角度を変えると次々と美しい表情を見せる。
*ウォーターオパール*
地色が青系統で、透明な水の中に閉じ込められたような輝きと遊色効果をもつ。
*ファイヤーオパール*
赤やオレンジ系統の地色の中に燃えるような遊色効果がみられる。ブラックオパールに次ぐ高級オパールとして人気がある。

また、水中で生成されるオパールは石自体に水分が多く含まれ、非常に軟らかい硬度でできています。そのため、熱に弱く短時間で水分を吸収する特徴をもっています。
しかし水分を多く吸収すると遊色効果は弱まってしまい、逆に水分が抜けると割れてしまうこともあるので、保管には十分注意が必要です。
このように管理が難しく美しさが不安定な鉱物なので、購入する時は宝石を熟知した人から買うことが大切となります。

(2020.11.10[Tue])


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