ウランガラスという物があります。
ウランガラスとは微量のウランを含んだ蛍光グリーン色のガラスになります。 グラスやお皿など様々な物に加工されますが、宝石と同じようにカットが施されジュエリーにも使用されることがあります。 宝石とはまた違った感じにキラキラとしていて綺麗なものですが、人工的に作られた「ガラス」になるため、宝石を紹介している本や図鑑ではあまり載っていません。 何かの宝石の代用だったり模造品としてではなく「ウランガラス」としてジュエリーに使用されます。 「ウラン」と言えば放射能を出す非常に危険な物質なのではないかと思えてしまいます。しかもそれを身に付けるなんて正気の沙汰とは思えないのではないかと思います。
しかしウランガラスに含まれるウランは非常にごくごく微量なので人体に害のあるような量ではないので問題ありません。 ウランガラスは大昔はヨーロッパでたくさん製造されていたそうですが、今ではほとんど作られていない希少なものになります。 現在でも全く作られていないわけではありませんが、「ウラン」の取扱は 非常に危険であるし法的にもとても厳しく規制されているため、製造している場所はとても少ないです。 今 世間で流通してる物はごく少量生産されたものか、その昔に生産されたアンティークの物になります。
ウランガラスは地球の大地が産み出した宝石とは違い、やはり人工的に作られた物ですが、現代ではとても希少な物です。 ウランガラスを知らない職人さんがウランガラスが使用されているジュエリーを見ると「これはガラスで出来た偽物ではないか」と思ってしまうこともあるようですが、ウランガラスの場合はガラスであるからこそ本物になります。 人の文化の歴史の中で時代に合わせて様々な素材が作られて、技術や科学の進歩などでその素材に代わるものが発明されたり、その素材の危険度が認知されあまり使われなくなり、時代の中に消えて行きます。 宝石だから価値があるという考え方がやはり根強いですが、宝石だけではなく人工的な物にも価値があるかと思います。
ウランガラスのように 人工的なものでも、宝石にはない美しさであったり、人の文化の歴史を感じるのもまたひとつ良いかと思います。
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