2021年03月

10年

2021年3月、今年で東日本大震災から10年が経ちました。当時生まれた子は10歳に、10歳だった子供は成人に…この10年の月日の感じ取り方は人それぞれですが、
災害時への危機感はどうしても記憶とともに風化しつつあります。
震災時、助けを求める際に笛を吹いて救助してもらった方がいるそうです。がれきに埋まって声が出せない状況や、体力の消耗を抑えるために防災ホイッスルというものがあります。
その防災ホイッスルを常に持ち歩けるようジュエリーと兼ね合わせたSV製のネックレスもあり、ジュエリーとしてのデザイン性と実用性を両立して身に付けるお守りのようだと人気だそうです。
いつ起こるかわからない災害に対して100%の対応をするのは難しいですが、こういった小さな対策を身近なものにしていき教訓を生かして被害を最小限に抑えていけるといいですね。

(2021.3.31[Wed])

環境に配慮

ここ何年かは、仕事を遂行するうえでの環境負荷への配慮が課題となってきています。
無駄に材料を消費しないことや、使った資源のリサイクルは我々の業界でも考えなくてはいけないことであると思います。
特に貴金属地金のロスは元々高価なので。気をつけなくてはいけないことですし、研磨剤等においても出来る限り無駄のないように使うべきことは認識しておかなくてはなりません。
資源には限りがありますので、今以上に工夫しながらリサイクルや材料の削減に努めていきたいと思います。

(2021.3.29[Mon])

道具に関するあれこれ

普段の仕事で私どもは様々な道具を駆使して円滑に作業を進めております。
キャリア数十年ともなりますといい具合に指の当たる部分が磨り減ったり曲がった りした道具がありまして、こういうのを「手に馴染んだ」状態といいます。
ある意味自分用に勝手にカスタマイズされてきた物ですが、これのおかげで作業が非常にはかどります。
所が世の中そんなにいいことばかりは続きません。
ある日突然壊れるんですね〜これが何の前触れもなく。
作業中に力を入れた途端にポキッと。そうなると困るので新品と馴染んだのを交互に使って「あたり」を出しておいたり、
新品をあれこれ削って強制的に馴染ませたり。
でも時間をかけて馴染んだものとは微妙に違和感があったりで暫くは違和感との戦いです。
たまに同僚から道具を借りることがありますが、これが使いにくいったら。
人の手ってこんなに違うのかってよくわかります。
なので道具は大事にしなきゃって思うんですが、つい集中したりしてると扱いが荒かったりで反省する事多々です。

(2021.3.18[Thu])

レジン

一時期レジンアクセサリー作りが流行していた時があります。百均でもキットが置いてあり誰でも手軽に楽しめるハンドメイドの手法になっています。
レジン液の中にドライフラワーやビーズなどを入れて硬化すれば透明で立体的な作品が作れます。
レジンとは透明樹脂のことを指す言葉で、大きく分けてエポキシ樹脂(二液性樹脂)とUV樹脂があります。
エポキシは主剤と硬化剤の二液を一定の割合で混ぜて硬化させるもので、UV樹脂は紫外線で硬化させるものです。
当社では様々な商品を修理・研磨しますが二液樹脂のついた商品を取り扱うこともあります。

硬化する時間は温度、液量、成形する形によってそれぞれです。当社では温蔵庫に入れて硬化させていますが季節によって気温の変化がありますので
一概に何時間で完成。とは言えない作業なので納期を長めにとっていることもあります。
まず作りたい色を作るのに決まった配分量を混ぜますがこの際に沈殿したままの原液を使ったり激しく混ぜると
色ムラや気泡などといった原因に繋がります。
完全に硬化するまでは型に入れた直後には見えていなかった浮き上がってきた気泡や、表面に付着したごみを取り除くことが可能なので
他の作業をしつつ日に何度も様子を見る必要があります。

(2021.3.11[Thu])

糸ノコ

ジュエリーの加工、修理の仕事の中で切る道具、刃物として糸鋸があります。鋸刃は主に厚みが1mm未満の物を使います。細かい仕事のですので厚みが0.18mm位の刃を使う事もあります。刃の形は木工に使うノコギリと同じギザギザの刃です。切断と言うからには切る作業なのですが鋸は包丁や鋏とは違い「削って切る」と言った作業になります。削ると言ったらヤスリでは?と思うかもしれません。実は鋸とヤスリの刃の形はほぼ同じ形状をしています。つまりは鋸の刃の集合体がヤスリと言う事になります。ヤスリも刃物の仲間なのですね。日本の場合刃物は刀から派生してできた物なので基本は引いて切ります。海外の刃物は刀身や自身の重さを利用して押して切ります。(諸説あると思いますがオーソドックスな説明として挙げています。)ですので鋸には押切、引き切りの概念があります。技法や工程によって押し引きが変わります。当たり前のことですが押切の刃は引いても切れません。逆もまた同じです。刃の形状によって削れる量が決まっているのでどんなに力を入れても一回の削れる量に変化はありません。力を無駄に入れすぎると地金が真っ直ぐ切れない、刃が折れるといった原因になってしまいます。刃の向きと形状を理解しながら使う必要があります。他にまだまだ鋸の刃と似た形状の切る、削ると言った道具があります。普段使っている刃物の形を観察してみると色々な発見があると思いますよ。

(2021.3.4[Thu])


バックナンバー
©All Rights Reserved 2009 TAO & COMPANY Inc. Yokohama, Japan
Powered by HL-imgdiary Ver.3.00 Beta