2021年05月

シルバー製品の黒ずみの原因

純銀は酸素に対して安定している素材なんです、なので酸化するのが非常に稀なんです。
では、なんで黒ずむのかですが、
純銀は、空気に微量に含まれる硫化水素や人の汗の分泌に含まれる硫黄成分と結合し
硫化する事が原因です。
例えば、シルバーアクセサリーを着けたまま硫黄質の温泉に入ってしまい、
黒く変色してしまった。これが硫化による黒ずみです。
他にも、塩素系洗剤を使った場合にも起こります。
塩化銀は日光に当たると黒くなる性質があり、塩化塗膜は頑固で固く取れにくい性質です。
これを塩化といいます。
純銀の主な黒ずみは硫化と塩化で起きているんです。

(2021.5.26[Wed])

ピアス

ここ数日ピアスのポストを細くする仕事を何件か受けましたが、個人的にはピアスをしないので、太いとやはり痛いものなのだなあと思っております。

国内の物だと、0.9mmくらいのポストの太さが通常のものかと思いますが、確かに海外のものになると、1.2mm以上の太さのポストも目にする事があります。
自分の開けている穴よりどのくらい太くなると痛くなるのかは全くわからないのですが、たしかに0.9mmの穴に1.2mm以上と言えば、数字的には何となく痛い感じがします。
それこそ海外の方は全く痛くないのか不思議で仕方ありませんが、穴の大きさにもやはり文化があるのでしょうね。
世界標準としては一体何ミリくらいなのでしょう?

(2021.5.12[Wed])

日本の技術

日本の技術は優れている。といった言葉を耳にしたことがあると思います。
正確性や強度、安全面などなど確かに世界的に見て日本の物づくりは割と優秀な方だと思います。また大手ブランドなどの技術も大変素晴らしいものだと思います。
修理依頼仕事の中で「お客様いわく、1回の使用で壊れてしまいました。」と言ったコメントを目にすることがあります。結論から言うと1回の使用でも壊れる物は壊れます。これは技術云々ではなくモノの道理です。細かく言うと使用方法や保存方法など色々な理由があると思います。日本の技術は優れている。と言った言葉のイメージやプライドが強く浸透してしまっている結果だと思います。この様なコメントを言うのは日本人独特な考えなのかなと思います。外国の方のほうがモノ壊れるという事を前提にモノを扱っていると思います。海外ブランドはその所々や物に合った構造や技術を使うに長けていると思います。なので、『日本の技術は優れている。が、世界の技術はもっと優れている。』といった言葉のほうが個人的にはしっくりきます。
特にジュエリーになると細かな細工が施されたモノなのでより壊れやすいと思います。わりと当たり前な事なのですが、金属といっても条件さえ合えば素手で2つに折る(切り離す)事が出来ます。ダイヤモンドは手段を選べば簡単に割れます。粉々になります。
同じ職場の職人にこの話をするとビックリされる事があります。先入観が強いのも考えものかなと思います。

自分も長年職人仕事をやって来て色々と出来る様になったなと思う日もあります。しかしそれは今の会社内の話しです。知らない知識や技術を目の当たりにするたびに自分はまだまだ未熟だなと思わされます。まさに井の中の蛙大海を知らず。です。この言葉を忘れる事なく日々精進していきたいと思っています。

(2021.5.7[Fri])


バックナンバー
©All Rights Reserved 2009 TAO & COMPANY Inc. Yokohama, Japan
Powered by HL-imgdiary Ver.3.00 Beta