2021年09月

イリジウムとは?

     
    イリジウムは貴金属、レアメタルとして扱われていて
全元素で2番目に比重が大きい金属なんです。
    イリジウムはプラチナ精錬の過程で副産物として得ること
    も出来ますが、年間で約4トンしか採掘できない
    希少な資源なんです。
    隕石にもイリジウムは含まれています。
    次に白金イリジウム合金の特徴ですが、
    高い強度や高い耐熱性や耐腐食性を持つていて
    接点材料、耐熱材、導電材料として使われており
    幅広い分野で使われているものです。
    また、イリジウムはプラチナの割金としても使用されています。
    イリジウムを入れると強度が増し、金属アレルギーのリスクも低くなります。

(2021.9.28[Tue])

梅雨が明け、汗ばむ陽気になりました。

夏場は汗をかくと、金属アレルギーのある方は肌トラブルが起きやすいので注意が必要です。

金属アレルギーが起きる要因として、
人の免疫反応と、金属のイオン化傾向があります。

まず、人の免疫反応では、
人体に異物が侵入した際、排除しようとする働きによってアレルギー反応を起こします。
金属アレルギーの場合、汗などにわずかに溶けたイオン化した金属が、
人が本来持つタンパク質と結合し、アレルゲンとなるタンパク質に変質することでアレルギー反応が現れます。

イオン化傾向とは、金属の水溶液中での「陽イオン」のなりやすさを表し、
傾向が高いと汗や体液などに溶け出しやすい金属であるといえます。

金属アレルギーの中で特に原因とされる三種類が、
「ニッケル」、「コバルト」、「クロム」です。

ニッケルはアクセサリーのメッキの下地や、合金に使われていることが多いので、
注意が必要です。

また、ニッケルに比べ、イオン化傾向の低いプラチナやゴールドは、アレルギー反応が起こりにくいですが、
割金のパラジウムや銅に反応が出る場合もあります。

心配な方や、アレルギー反応が起きた方は、
専門医のもとでパッチテスト等で原因を調べることができます。

最近はアクセサリー用のアレルギーの起こりにくい素材として、
純度の高いチタンやステンレスなどの商品も出てきており、選択肢も増えてきています。。
アクセサリーにおいて、特に長く身に着けるものは見た目も重要ですが、
素材で選ぶことも大事ですね。

(2021.9.15[Wed])

オリジナル

ブランドなどで、新作として発売したジュエリー達をみていると どこかで見覚えのあるデザインである物のことが多々あります。
どこで見たものなのかよく考えると、本で見たアンティークジュエリーととてもよく似たデザインであることがわかりました。
中にはアンティークジュエリーのデザインをオマージュして発売されるものもありますが、その新作ジュエリーはオマージュした物ではありませんでした。
では何故 似ているのでしょうか。有名なブランドのデザイナーが過去のデザインを丸パクリして物を作ってきているとは思えませんし、著作権があろうとなかろうとパクリは やはりリスキーなのであまりやらないかと思います。
では何故 過去の物と とてもよく似ている物が発売されるのかと言えば、これは純粋にデザインが「カブってしまっている」のです。
確かに細かな部分を言えば、それはそれぞれ違う物にはなりますが、見た目はほぼ同じです。
オリジナルの定義がどこであるかという議論はありますが、見た目がほぼ同じものが存在するのに、それを完全なオリジナルだと言うのは難しいかと思います。
そういったものが「ここにしかないオリジナルジュエリー」として売られていることがあります。
ジュエリーと人の歴史は遡れば何千年という単位で古く長くなります。古いものは今とは全く違ったジュエリーの形式になりますが、それでも長い長い歴史の中で数え切れない程の人がジュエリーを作り、数え切れない程の人がジュエリーをデザインしてきました。
そのため、とてもとても多くのデザインパターンが世に出てしまっています。
ジュエリーが過去にどんなものが作られていたのか知らない人がジュエリーをデザインすると、オリジナルのデザインだと思ってデザインしても過去に在った物達とカブってしまうことが簡単に起こります。
「デザイン」ではなくて「技法」という観点からオリジナルのジュエリーを作ろうとする場合も同様で、歴史の中で様々な人が様々な試みを行っています。
以前 個人作家さん達が行っている即売会に行った時に見かけた物が「粉にした地金を表面に溶接してザラザラしたテクスチャをつけた」という物でした。
売っていた方は「これは当方のオリジナルの技法で作った物である」として売っていましたが、アンティークジュエリーの中に全く同じことをしている物があり、これを本当の意味でオリジナルということは難しいかと思いました。
確かにそれもアンティークで使われた技法を真似したのではなくて、自分でそれを思い付いたのだと思いますが、それは先人達の誰かと考えがカブってしまっているのです。
普通にやっていて思い付くような範囲のことはだいたい先人達によって行われています。
本当の意味での「オリジナルのジュエリー」を作るためにはジュエリーの過去にどんなものが在ったのか知っている必要があります。
過去にどんなものが在ったのか知っている人だけが本当の意味での「オリジナルのジュエリー」を作ることが出来ます。
本当の意味でのオリジナルジュエリーを作ることはなかなかに難しいことなのです。

(2021.9.7[Tue])


バックナンバー
©All Rights Reserved 2009 TAO & COMPANY Inc. Yokohama, Japan
Powered by HL-imgdiary Ver.3.00 Beta