2021年12月

年の終わりに

コロナの影響なのか、ここ一年くらいのサイズ直しはサイズを大きくするものが増えているような感じです。
やはり出掛けたりする機会や運動する機会は減りましたから、当然と言えば当然の現象かもしれませんね。
少しばかり指輪を大きくするのは特に問題ないと思いますが、かなり大幅なサイズアップは健康の面から考えてもなんだか良くない気がします。
そこで、もしも指輪のサイズをかなり大きくあげなくてはいけない場合、指輪のサイズ直しで半分、ダイエットで残りの半分のサイズを合わせてみるのはいかがでしょうか。
そうすれば、地金の使用量が減る分工賃も安くなりますし、ダイエットで健康にも良いので一石二鳥ですよね。
来年はコロナが収まることを願います。

(2021.12.30[Thu])

希少な石

希少な石とされている宝石が使用されているジュエリーの中で、実用に耐えうる強度や品質があるのか疑わしい石が使用されている物が売られているのを見かけることがあります。

ジュエリーにあまり詳しくない人でも名前を聞いたことがあるような、広く出回っている石は、大抵の場合は実用に耐えうる強度と品質があり、大丈夫なのですが、あまり名前を聞いたことがない珍しい石は少し注意が必要です。

希少な石であると言われると価値があるように感じてしまいますが、希少な石でもジュエリーに向いている石は市場でちらほら見かけます。

あまり見かけない広く使われていない石は、純粋に人気の要素と本当に希少な場合もありますが、実用するジュエリーに耐えうる強度が低かったり、大きな欠陥が隠れていたりすることがあり、あまりジュエリーに仕立てられていないということがあります。

石の種類によっては、水や汗など日常で触れる成分で石自体が溶けて行ってしまう物、日光に長時間当たると退色していってしまう物、人体に害のある成分を多く含んでいる物、時間の経過だけでヒビ割れて行ってしまう物、貴金属と触れていると化学反応でサビや変色などを起こしてしまう物、そもそも脆くて割れやすい物などがあります。

石自体が溶けると言っても水に触れた瞬間に溶けて無くなってしまうような物ではなく僅かに溶ける程度であったり、日光で退色すると言っても日光に当たった瞬間に完全に退色するというわけではありませんし、毒素を含んでいても触った瞬間に害が出るような物ではありません、長時間肌に触れているとかぶれたりすることがあるといった物になります。
鉱物標本などのように身につけて使わない物として置いておく分には問題ありませんが、「身につけて使う物」として考えた場合にジュエリー向きではない宝石があります。


希少な石といわれると魅力的に感じますが、実際に選ぶ時はそれがどんな石なのか知ってから選ぶ必要があります。

(2021.12.29[Wed])

ヒスイ

今回は翡翠(ヒスイ)について、日本の玉の歴史と共にお話しようと思います。

翡翠と書いてカワセミと読む、水辺の美しい青い小鳥がいますが、
翡翠(ヒスイ)とは、深緑の半透明な美しい宝石の1つで、東洋で人気の高い宝石です。
古くから日本でも重用され、考古学的、地質学的に日本ならではの石であるため、2016年に『国石』に選定されました。

鉱物学的には「翡翠」と呼ばれる石は2種類あり、化学組成の違いから「硬玉(ヒスイ輝石)」と「軟玉(ネフライト : 透閃石-緑閃石系角閃石)」に分かれ、両者は全く別の鉱物です。
一般的に宝石店などで販売される石は硬玉の方で、価格的にも硬玉の方が高価です。

現在判明している世界最古のヒスイの加工は、日本国内の新潟県糸魚川市において約5,000年前(縄文時代中期)に始まったものであり、世界最古の翡翠大珠が同国内の山梨県で見つかっています。

縄文時代中期、日本海沿岸に「越」(こし)という古代国家があり、その後、越中、越前、越後とわかれます。「コシ」は中央アジアの古代語「カシ」(玉)が転じたものと考えられており、玉の採取、加工を特色にしたユニークな国家でした。

日本におけるヒスイ利用文化は約5,000年前の縄文時代中期に始まり、縄文人がヒスイの加工を行っていました。のち弥生時代・古墳時代においても珍重され、祭祀・呪術に用いられたり、装身具や勾玉などに加工されました。

越の地域は玉の原石に富んでおり、めのう(福井、石川)、オパール(石川)、碧玉(佐渡)、そして特に、糸魚川、青海方面のヒスイ輝石は当時、国際的な特産物でした。
交易品として海路を用いて広く運ばれたとされ、北海道から沖縄に至る範囲で1千箇所以上でヒスイの加工品が発見されており、また、糸魚川のヒスイは海外にも運ばれ、朝鮮半島からも出土しています。

半透明緻密で彫刻できる石を一般的に玉と言いますが、硬玉(ヒスイ)はもっとも堅牢で美しい、最高の玉とされています。古代社会では、立派な玉の製品を所有することが権力のシンボルでもあり、王族級の古墳からは越の国のヒスイ製品が出土し、出雲大社にも最高級のヒスイの勾玉が保存されています。
越が滅び、奈良時代以降には急激にヒスイの利用が衰退して全くみられなくなり、日本の歴史から姿を消しました。
そのため以後はヒスイの加工文化のみならず日本国内で産出することも忘却されており、奈良時代に忘れられて以降、昭和初期の1938年に約1,200年もの時を経て再発見されるまで、研究者たちは、日本国内の遺跡から出土するヒスイの勾玉等は海外(ユーラシア大陸)から持ち込まれたものだと考えていました。

現在、ミャンマーの翡翠が有名ですが、唐時代以降の開発のため、越の翡翠(ヒスイ)は、世界最古の可能性があるとされています。

現在の日本では5月の誕生石にエメラルドとともに数えられており、宝石言葉は「幸運、幸福」または「長寿、健康、徳」などとされています。
2016年(平成28年)9月には日本鉱物科学会により国家を代表・象徴する日本の国石と認定されました。

翡翠の色は白、緑、紫、青、黒などがありますが、糸魚川のヒスイは保護地区にあり採取が禁止されているため、市場に出回っている量が少ないです。

貴重な国産の美しい翡翠が、保護され、後世に石の価値と文化が継承されることを願っています。

(2021.12.21[Tue])

着物のアクセサリー

もうすぐお正月ですね。初詣には行かれますか。着物を着て新年を華やかな気持ちで迎えるのもいいですよね。和装といえば着物に帯をギュッと巻くものというイメージですが、意外とアクセサリー的な小物をたくさん使っているのをご存知ですか。帯締めや帯揚げに帯留め、半襟に伊達襟、簪(かんざし)に飾り櫛(くし)、羽織、バック、草履など、洋服と一緒で色や柄をいろいろ組み合わせて自分なりのコーディネートが楽しめますよ。

和装のアクセサリーとして注目がいくのは、やはり【簪(かんざし)】や【飾り櫛(くし)】ではないでしょうか。【簪】は、束ねて結い上げた髪に細い棒を指して形を保つ髪飾り。そして、【飾り櫛】はその名の通り櫛に飾りが付いたもので、髪を梳(す)いて整え、そのまま結い上げた髪に差し込む髪飾りです。簪や飾り櫛は髪の外側に出ている部分に色彩豊かな花や鳥などが装飾してあり、上品に結い上げた髪を華やかに彩ります。
また、帯のアクセントとなる【帯締め】や【帯留め】は着物の中心部分にあり全体をまとめる重要な役割を担います。【帯締め】は帯が崩れない様に帯の上から結ぶ紐のことです。帯締め自体に真珠などの飾りが編み込まれたものもあり、着物や帯に合わせたコーディネートを楽しめます。【帯留め】は帯締めに通して付けるベルトのバックルのような飾りのことをいいます。宝石や真珠をあしらった細工物で帯の正面を彩る、着物のためのジュエリーです。着物を着るために必要なものではないのですが、帯留めを付けるとワンランク上のオシャレを楽しめますよ。

着物や帯や小物の色柄選びも楽しみながら、普段着る機会の少ない和装姿で非日常的な素敵なひとときを味わってみてください。

(2021.12.10[Fri])

パライバトルマリン

        
トルマリンの中でも、最も希少価値があり高評価を受けていて
世界三大希少石とも言われているのが、パライバトルマリンです。
何故、そこまで希少なのかと言うと、トルマリン自体は世界中で
産出されていますが、パライバトルマリンは、1987年にブラジルの
パライバ州にあるバターリャ鉱山で発見された新種のトルマリンで
その後もパライバ州周辺限定で産出されていますが、産出量が年々
減少しており、1カラット単価の価格が最も高い宝石です。
現在では産地にかかわらず一定の銅が含んだ、青〜緑色のトルマリンを
パライバトルマリンと呼んでいます。
名前の由来は、パライバ州で初めて発見されたトルマリンなので
パライバトルマリンとつけられました。
色合いは発光している様なネオンブルーです。
パライバトルマリンは世界の鉱物の中で唯一、電気を自力で帯びている
ため、電気石とも呼ばれています。

2021.12.4[Sat]


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