2022年04月

国立博物館

先日、上野の国立科学博物館で行われている特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」を観に行きました。

2月19日〜6月19日まで上野の国立科学博物館で行われている特別展で、天然石や宝石のルース、アンティークジュエリーなどが展示されている特別展となります。

ジュエリーのこういったイベントはあまり多く聞かないので、世間的にあまり需要がないのではないかと思っていました。
なので そんなに混んでいないと思ってましたが、行ってみると 、想像以上に混んでいて驚きました。

この職人職をしていると、お店の人とのやりとりはあるのですが、実際にジュエリーを使う人とのやりとりはあまりないため、実際に使ってる人やジュエリーに興味のある人か居るんだなぁと実感出来ました。

展示物は原石や宝石の特徴や種類の展示から、採掘からジュエリーになるまでの解説の展示、古い順に並べられたアンティークジュエリーや、かつての王族の絢爛豪華なアンティークジュエリーなどが展示されていました。

原石や宝石の展示では、インターネットで名前を検索しても出てこないようなマイナーで珍しいものまでありました。
頻繁に見る宝石でも、微妙な色違いの種類を比較できる形での展示があり、とてもよい参考になりました。

アンティークジュエリーの展示では、今では目にすることのないようなデザインの物が多くあり、何百年も前の物なのに逆に斬新に感じる物もありました。

現代ではカットした宝石に合わせてジュエリーを作っていく場合が多いのですが、アンティークジュエリーでは宝石自体に模様などを彫刻している物が多くありました。
王族のジュエリーでは嵌める所に合わせて宝石をカットしてきたものが使われている物があり、現代との価値観の違いを感じました。

現代との価値観とは違う作りをしているものでも、端々に現代の技術と繋がるものもあり、今では当たり前にある工具や道具が無い中でこれを作ったのはすごいと感じました。

こういったイベントはあまり多く聞かないので機会が増えれば良いなと思います。

(2022.4.28[Thu])

修理

私達の仕事のメインは宝飾品の修理であることは間違いないのですが、中にはメンズアイテムの名刺ケースやキーホルダーなどの修理も時々あります。
丁度先週キーホルダーのネジの修理をしましたが、ボルトのおさまる穴が広がってしまっていてネジが空回りする状態で、直すのにちょっとした苦労がありました。
さすがに穴が広がっていると、一度その穴を埋めて再度ネジ穴を切らなくてはいけなかったのですが、穴自体も垂直にあかなくてはならないので、かなり慎重な作業が要求されました。
苦戦はしたものの、結果的には上手く直ったのでそれで良しなのですが、少し時間がかかりすぎたかなとも思います。
次回はもう少し手早くやれるよう心掛けたいと思います。

(2022.4.21[Thu])

侵攻

ロシアによるウクライナ侵攻によって影響は世界規模に及んでいます。膨大な土地を持つロシアは様々な資源の産出を担っています。主要金属であるアルミニウムは2008年以来13年ぶりに1トンあたり3349.5ドルと最高値を更新しました。
工業製品の原料になる希少金属(レアメタル)ニッケルも、ロシアが多くを産出しています。最近では電気自動車の電池の材料としても需要が高騰しています。また、自動車の排ガスを浄化する触媒の原材料となるパラジウムも多くを生産しており、
自動車業界の打撃はすさまじいものとなっています。貴金属類のほかにも小麦や蕎麦なども多くはロシアからの輸出に頼ってきました。資源や食品関連が高騰し続けていけば私たちの生活も苦しくなってきます。
コロナウイルスが世界的に蔓延し始めてから早2年、経済の波は不安定ながらも徐々に日常に戻る傾向にありましたが、一気に情勢がまた不透明なものとなってしまいました。

(2022.4.15[Fri])

「龍」がモチーフものってたくさんありますよね。お守りやアクセサリーをはじめ置物や絵画や入れ墨などなど。空想上の動物なのに十二支にも含まれているほどある意味身近で不思議な生き物。なんでも、十二支が作られた古代中国では龍が実在する生き物だと信じられて十二支のひとつになったそうですよ。
龍は地上に流れる「気」=エネルギーそのものと考えられていて、日本では古くから神社や寺院などで祀られ、地域の人々は「龍神様」と呼び信仰してきました。風水では良い気の通り道のことを「龍脈」、良い気が集まっているところを「龍穴」と呼んでいます。
龍のパワーを使えば最上級の幸運が訪れてあらゆる運気を上げてくれるとされていて、「龍神様」が祀られている神社や「龍脈」「龍穴」に多くの人がパワースポットとして訪れて運気をもらいに行っているそうです。かく言う私もかつてはいろんなパワースポットに赴いていましたが、コロナ禍中はなかなか遠出が難しく龍神様にお参りに行けなくなってしまいました。このご時世なので仕方ないですよね。
龍モチーフの商品をたまに見ると、この龍アイテムがどんな人の手に渡るのかな…なんて考えながらピカピカに磨いて楽しんでいます。

(2022.4.7[Thu])

メッキ

最近ではジュエリーで使われてメッキは金メッキ、ロジウムメッキ、シルバーメッキ、ルテニウムメッキなどです。同じ金属メッキの中にも複数種類があり金メッキで例えるとK24メッキ、イエロー、ピンクなどがあります。ロジウムメッキにはブラックロジウムなんてものもあります。メッキはメッキ液と電気を使って母体の表面にメッキを掛けます。実際には数ミクロン単位の厚さで金属を被覆させていますので表面のメッキ層はちゃんとした貴金属という事になります。
メッキがはげた、なんて慣用句があるくらいですのでいくら金属とはいえ硬い物で引掻いたりすると薄いメッキは簡単に削り取れてしまいます。メッキの掛けなおしをすることも出来ますが、中途半端に剥がれた状態だと残ったメッキ層にさらにメッキが掛かり段差が出来てしまう事や、電気の抵抗、流れやすさ等の差でムラになってしまうなど綺麗なメッキをかけることが出来ません。また表面にキズなど凹凸が多いと綺麗にメッキがかかりません。この場合は一度完全にメッキ層を剥がして仕上げ直しをしてメッキ掛けをする必要があります。
弊社では比較的簡単なメッキ掛けは行っているのですが、メッキを掛けるのにも様々な技術と方法がるようで、工業メッキと言われる部類になるメッキは別の技術とそれ専用の施設を設けなくてはならないのでお断りをしています。メッキを専門に行っている業者にはとても頭が上がりません。
メッキは見た目を良くする事も大事ですが、本体の耐久性の向上や、人が扱うモノに関してはアレルギー対策などにも役立ちます。私たちが生きてくのに欠かせない技術だと思います。

(2022.4.1[Fri])


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