2022年05月

カラーサファイアの中で唯一固有名詞が有る石

   
カラーサファイアの中で唯一、固有名詞を持つ石が有ります。
それは、パパラチアサファイアです。
パパラチアサファイアは、ハスの花の様なピンクとオレンジ色の
中間色な色をしています。
その色合いはクロムイオン、結晶構造の変化がその色素要因ですが
色相の幅が広く、パパラチアカラーのボーダーラインが分かりにくく
少しの彩色や明度の違いでパパラチア認定から外れてしまう程
難易度が高いサファイアです。
基本的に、ライトストーン〜ミディアムストーンのピンクとオレンジが
混ざった石がパパラチアカラーと呼ばれますが、実際は茶色や黄色味
パープルサファイアのような色合いを持つ石も少なくありません。

(2022.5.30[Mon])

マニュアル

マニュアル化、効率化を重視されている現代で手仕事が注目されてきている。と言ったニュースを視て嬉しく思いました。弊社の様な業種に限った話しでは無いのですがマニュアル化が難しい作業があるからこその職人仕事、手仕事かなと思います。対人関係の仕事をされている方はお客に合わせた対応求められる事が多いと思います。心身ともに苦労が絶えない仕事に感心します。
無機物なジュエリー相手にも個々に合わせた対応が必要な時があります。同じ形、同じデザイン、素材で大量生産品であっても僅かな違いが出てしまうことがあります。また修理品として預かる品は使用される方によってジュエリーの変化がかなり違ってきます。その為同じデザインのネックレスや指輪であっても別の物ととらえて作業します。ある程度のマニュアル当然存在しますが僅かな厚みの違いや内部の状態によって対応が変わってくるので常に正解のマニュアルがあると言った訳では無くなります。こうなると必要になるのは経験による自身の引き出しと知識とそれをなす技術です。日々の研究と鍛錬は欠かせません。自身の引き出しの中には工具のチョイスも含まれます。近年の工具の進歩は素晴らしく昔は作業不可だったものが簡単に作業できる。といったことが増えてきました。漠然と作業していると見落としてしまいそうな作業方法も増えてきた事だと思います。当然な事ですが常に都合の良い工具がある訳では無いので時には工具を製作してから作業する事もあります。工具や作業方法にこだわりを持っている職人は沢山見てきました。こだわりを持つことは大切だと思いますが、昔はこんなの許されなかった。なんて思う事も増えてくるとは思います。今現在の事を考えると何かに固執するよりも多方面から物事みて柔軟な発想と対応がより大切になってきたと思います。

(2022.5.27[Fri])

ターコイズ

今回は12月の誕生石である、爽やかな青色のトルコ石(ターコイズ)についてお話します。

トルコ石は何千年もの間貴重な宝石とされ、メソポタミア(現イラク)では、紀元前5000年のトルコ石のビーズが発見されています。
古代エジプトの初期のファラオの墳墓や、インカなどの財宝に見られ、
赤瑪瑙、ラピスラズリとともに、色彩の美しさから人類が最も早くから着用し、高く評価されてきました。
古代メキシコでは、トルコ石を貴い石とし、黄金よりも重んじていました。
メキシコ王国の崩壊後も、ネイティブアメリカンのプエブロ族やナバホ族などによって大切にされていたそうです。

トルコ石は、健康と幸運をもたらすなど、有益な力を数多く持っていると考えられていました。13世紀以降、トルコ石は身に着けている人が落馬するのを防ぐことができ、災害が近づくと壊れてしまうと考えられていました。また、ヨーロッパの伝統では、トルコ石のリングの贈り物には「私を忘れないで」と意味があります。トルコ石はチベットで宝とされており、健康や幸運をもたらし、悪から保護されると考えられています。

トルコ石の名称は、トルコ産の石のように思えるかもしれませんが、トルコでは産出されません。
古くからイランとエジプトで産出されたトルコ石が、トルコを経由し、トルコ人の隊商によってヨーロッパに持ち込まれた為、生まれた名称とされています。

トルコ石の産地としては、
イランのネイシャプル鉱山のものが硬く、色調が良く、緑色に変化しにくい為、高い評価をされています。
この地域で産出される、貴重とされている均一な色を持つ濃い青色のトルコ石は、「ロビンズエッグブルー(コマドリの卵の青色)」や「スカイブルー」、「ペルシアンブルー」などと呼ばれています。

その他、アメリカでは現在は閉山していますが、アリゾナ州のスリーピングビューティー(眠れる森の美女)鉱山は40年以上もの間、美しいトルコ石の多産地として有名でした。
トルコ石は鉄と銅の量によって、その色が決まります。鉄が多いと緑に、銅の含有が多いと青になります。
スリーピングビューティー鉱山の石は、鉄をほとんど含まないため、美しい混じり気のない空青色を発色しています。

トルコ石の扱いについて、
トルコ石は、耐久性、外観、研磨を向上させるために処理されることがあります。硬度、または、色を向上させるためにエポキシ樹脂やアクリル樹脂を加えて、染色したり化学的に改良することもあります。
酸に弱く、化粧品などでも変色や損傷を受けることがあるので、無理に洗浄をせず、布で拭き取るなど、優しく取り扱うことが大切です。

(2022.5.16[Mon])

ホールマークについて

ジュエリーには大体ブランド名、素材、製品番号などが入っているのが定番です。
しかし、なかにはホールマークという小さな刻印が入っていることがあります。
一見キズのように見えるのですが、ちゃんとした意味があります。
よく見るホールマークは
犬の頭・・・プラチナ製品、鷲の頭・・・金製品
兜を被った人の顔・・・銀製品
を意味します。
アイテムによって入っている場所はまちまちのようです。
上記の3種類のホールマークはフランス製であることを意味し盗難防止などの目的でも利用されているようです。
一言でホールマークといってもこの3種類以外にもあり、国、時代、場所などによって様々なホールマークが存在しています。
アンティークジュエリーなどにも入っていることが多いので、自分の持っているアイテムにマークが入っているか調べてみるのも面白いかもしれません。

(2022.5.9[Mon])


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